旅行記  ・長崎居留地を歩く − 長崎県長崎市   



鎖国の時代、西洋への唯一の窓口であった長崎。そして、慶応3(1868)年の開国後は横浜や神戸などとともに『外国人居留地』が造られた街。居留地とは「外国人が居住や営業行為を自由に行うことのできる地域」を言います。『外国人居留地』のあった長崎市東山手と南山手は、いま国指定の重要伝統的建造物群保存地区であり、ここかしこに国指定の重要文化財の建物が残っています。東山手の居留地区には、旧長崎英国領事館東山手洋風住宅群オランダ坂旧ロシア領事館・十二番館などが、南山手の居留地区には、旧香港上海銀行長崎支店、大浦天主堂、グラバー園、マリア園などがあります。立春を過ぎてもなお続いた寒さが一段落した2月上旬の日曜日、異国情緒あふれる長崎の居留地を歩きました。お馴染みの風景ですが、いくつの写真をアップロードしました。
                                                              (旅した日 2004年02月)


旧長崎英国領事館と洋風住宅群 
1908年(明治41年)に建てられた赤レンガ造り二階建ての洋風建築が旧長崎英国領事館(写真上右)。大浦海岸に面した敷地に立っています。一階、二階にベランダのある重厚な建物で、国の重要文化財。現在は「長崎市野口彌太郎記念美術館」として使われています東山手の造成地に建つ『白壁に瓦葺き屋根の7棟の洋館』(写真右、左下)は、異国情緒あふれる雰囲気を醸し出しています。明治20年代後半に建てられたもので、かつて外国人のアパートだったと言われています。


オランダ坂
昔、長崎ではヨーロッパの人を「オランダさん」と呼んでいました。オランダさんが歩いた坂なので「オランダ坂」と名付けられました。いくつもあるオランダ坂の中で一番有名なのが活水女子大学下のオランダ坂(写真左)です。その坂を登りきったところに、1868年(明治元年)に建てられた旧ロシア領事館・十二番館(写真右)が立っています。国の重要文化財で、現在は修復され、「長崎市旧居留地私学歴史資料館」とし使われています。


旧香港上海銀行長崎支店記念館
瀟洒(しょうしゃ)な石造りの洋館『旧香港上海銀行長崎支店記念館』は、明治〜昭和初期の建築界の偉才・下田菊太郎の設計による現存する唯一の遺構で、国指定の重要文化財です。一階部分は連続アーチのアーケード、二、三階部分には円柱を通し、その上に三角破風の屋根がのっています。



ドンドン坂とマリア園
マリア園へ登る急な坂道がドンドン坂(写真左)です。いかにも長崎らしい情緒のある坂道です。古い石畳の両脇にはV字型になった溝があり、雨が降ると流れが急になるので「雨のどんどん坂」と言われるようになりました。この坂道を登り切って左折したところに、1897年(明治30年)に設立された3階建ての赤レンガ洋館・養護施設マリア園(正式には、イエズス修道会清心修道院)(写真右上)があります。ドンドン坂へ行く途中の居留地跡に中国風の狛犬(写真右下)がありました。


グラバー園
グラバー園は、南山手の小高い丘の上にある長崎観光の代表的な施設です。国指定の重要文化財である旧グラバー住宅、旧リンガー住宅、旧オルト住宅をはじめ、市内に散在していた有名な洋館が移築復元されています。


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