レポート | ・月の沙漠 |
− 月の沙漠 −
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ここ数年、11月は連れ合いと中国・山陰へドライブ旅行にでかけています。今年(2010年)は、松江とNHKの連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』で盛り上がった境港(鳥取県)を訪ね、三朝(みささ)温泉に宿泊。翌日は、倉吉の白壁土蔵の町並みと最後は鳥取砂丘でした。 鳥取砂丘では、砂丘に入ったすぐのところで、数頭の観光駱駝(らくだ)が営業をやっていました。100mもないぐらいの距離を往復乗るだけの遊覧ですが、それでもやはり、砂丘に駱駝は似合います。 駱駝といえば、昨年(2009年)12月、79歳で死去した平山郁夫画伯の『月光流沙らくだ行』や『流砂浄土変』、『楼蘭遺跡を行く』などの作品を思い出します(『流砂浄土変』は、シルクスクリーン・岩絵具方式の複製画を今年、鎌倉の画廊で購入しました)。そして、思い出すのはやはり童謡『月の沙漠』でしょう。 月の沙漠を はるばると 旅の駱駝が 行きました〜♪ 金と銀との 鞍置いて 二つならんで 行きました〜♪ 金と銀の鞍にはそれぞれ金と銀の甕(かめ)が紐(ひも)で結んであります。先の鞍の王子さまと後の鞍のお姫さまは、おそろいの白い上着を着ています。朧(おぼろ)にけぶる月の夜を対(つい)の駱駝は、黙ってとぼとぼと砂丘を越えて行きました。 月の沙漠は、大正から昭和初期に叙情的な挿絵画家として人気を博した加藤まさを(1897〜1977年)が、講談社発行の雑誌『少女倶楽部』1923年(大正12年)3月号に発表した、詩と挿画からなる作品でしたが、これに、当時まだ若手の作曲家であった佐々木すぐる(1892〜1966年)が曲を付けたことで、童謡としての『月の沙漠』が生まれました。 当初は児童の音楽教育の中で使われていましたが、1927年にラジオ放送されたことから評判となり、1932年(昭和7年)にレコード化され一般に知られるようになりました。その後も童謡として長く歌い継がれ、世代を超えて支持される歌の一つとなっています(ウィキペディアより)。 詩は、駱駝に乗った王子さまとお姫さまが広大な月下の砂漠を行く情景を描いていて、異国を連想させますが、モチーフになったのは千葉県の御宿(おんじゅく)海岸だったとされています。したがって、題名、詩文中ともに漢字は『砂漠』ではなく、“すなはま”の意味を持つ“沙”の字を用い、『沙漠』があてられています。 加藤まさをは、若い頃に結核を患い、その療養のため、御宿海岸を訪れていました。御宿海岸の風景に旅の駱駝の姿をだぶらせたのでしょう。御宿海岸には、月の沙漠記念館から程近いところに、駱駝に乗った王子と姫をあしらったモニュメント像が建てられているそうです。青森県にお住いのKitaさんに写真を送ってもらっていたましたので、覗いてみましょう。→ 月の沙漠記念像(御宿海岸) 下記に鳥取砂丘の旅行記があります。 ■旅行記 ・鳥取砂丘 − 鳥取市 |
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2010.11.17 | ||||
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