コラム | ・すずらん |
− すずらん −
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5月1日は、『メーデー』として知られる国際的な労働者の記念日ですが、この日はフランスでは、『労働祭』という祝日と同時に、『すずらんの日』とされている日です。 フランスでは、この日、一輪の『すずらんの花』を大切な人に贈る習慣があります。この日は、切り花であって、花屋さんからある距離離れていたら、だれでもすずらんの花を売ることができるというので、町中にすずらんが溢れるそうです。 ヴァロワ朝(1328年から1589年まで続いた中世フランス王国の王朝)の第12代王・シャルル9世(在位1560〜74)は、幼少のころ結核に罹り病弱でしたが、兄フランソア2世の死により10歳で即位しました。 実権は母后であるカトリーヌ・ド・メディシスに握られ、治世は、旧教のカトリックと新教のプロテスタント(ユグノー)との宗教戦争の真っただ中。シャルル9世は、ユグノーの指導者であったコリニー提督を登用し、父以上に慕っていました。 しかし、1572年のサン・バルテルミの虐殺でコリニーが暗殺されると、シャルル9世はそのショックに耐え切れず、全員殺せと叫んだといわれます。黒幕は母カトリーヌであったとも。 シャルル9世は、この事件を引き起こした責任と良心の呵責に耐えかねて、消耗の果てに23歳の若さでこの世を去りました。シャルル9世の歴史は、大量虐殺や裏切りの波乱の歴史でしたが、実は、『すずらんの日』はシャルル9世に由来するそうです。 1560年に、シャルル9世と母カトリーヌ・ド・メディシスは、地方のある場所ですずらんの束をもらいます。これに感激したシャルル9世は、毎年春に宮廷の女性にすずらんをプレゼントすることにしました。
その風習が、フランス全国に広がり、フランスの伝統になったのだそうです。一般の人々にすずらんを贈る風習が定着したのは19世紀末頃からで、現在は『労働祭』と同じ日になっています。 ところで、すずらんは日本では本州中央以北の山や北海道の涼しい地域で自生する花ですが、南国鹿児島にも、10,000株以上植えられているところがあって、花期は約2週間と短いですが、白いベルような形の愛らしい花を楽しむことができます。 ・すずらんの里 − 鹿児島県伊佐市大口 → https://washimo-web.jp/Trip/Suzuran/suzuran.htm 【参考にしたサイト】 (1)シャルル9世 (フランス王) - Wikipedia (2)スズランの日! → https://www.france-ex.com/blog/item/10671.html (3)スズランの日 → https://www.flowerservice.co.jp/calendar/calendar09.html |
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