コラム | ・ランドセル |
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明日の3月3日はひなまつりですが、一戸建て住宅が減少し、マンションなどの集合住宅が増えたという昨今の住宅事情や少子化の影響で、幾段もある大きな雛段に雛人形を飾ったり、あるいは端午の節句に屋根より高い鯉のぼりを揚げたりする家が以前より減少しているようです。のみならず、住宅が密集した都会では、その音が隣に迷惑をかけるというので、風鈴を吊るすこともままならないとか。 今年(2011年)の2月中旬にミステリーツアーで出かけたツアーバスは、裏磐梯から羽田空港への帰路、磐越自動車道から常磐自動車道に出て、水戸の偕楽園で昼食を取りました。東京都内に住んでいるというバスガイドさんは、茨城県(ひたちなか市、東海村)が全国の生産高の8割以上を占めているという名産『干しいも』について話しをしてくれます。 秋に収穫したさつまいもを冬まで保管し、真冬に蒸かし上げ、天日干しにして仕上げます。一片が長さ10〜15cm、幅5cm程度の細長く薄い板状をしている平干しいも、薄切りにしないまま干した丸干しいも、角棒状に細切りにしたものなどがあり、そのままで食べてもよいですが、火であぶると柔らかくなり甘味が増し、表面を軽く焦がすと香ばしさが加わっていっそう美味しいそうです。 この干しいもは、作るのに時間と手間がかかるためそれなりの値段がするようです。当のバスガイドさんには実家が干しいもを作っている友達がいて、製造時に発生する端切れをどっさり袋に詰めて送ってもらうそうですが、バスガイドさんは残念ながら石油ストーブを持っていないので、香ばしさを味わえないそうです。 石油ストーブは、マンションなどの気密性の高い部屋では結露や酸欠の問題、あるいは灯油の置き場所の問題などが気になって敬遠されるようですね。風鈴や石油ストーブ、雛人形や鯉のぼりなど、日常身の回りにあって重宝してきた物や慣れ親しんできたしきたりや風習などが、生活様式や生活環境の変化によって段々消えて行くのは寂しいことです。 さて、そんな中で、『タイガーマスク』現象で何かと話題になっているランドセルはどうかというと、産経新聞が、ランドセル“復権” 『6年生まで』8割超すというニュースをネット配信していました(2011年2月23日)。 小学校高学年になると体に合わなくなったり、おしゃれ感覚から背負わなくなるのではないのかなと思われがちですが、最近は卒業まで使う児童が増えているそうです。ランドセル向け人工皮革を製造しているクラレ(東京都千代田区)は毎年、ランドセル購入者の新1年生の男女計 400人の親を対象にアンケートを実施しています。 それによると、『近所の子供が何年生までランドセルを使用しているか』との問いで、『6年生まで』の回答は、2003年は59.4%だったのが、その後年々増加し、昨年の2010年は78.5%に達し、今年は8割を超えるそうです。兵庫県姫路市や愛媛県松山市では以前からほぼ 100%の市立小学校があるそうです。 つまり、最近の小学生にとって、ランドセルは“カッコ悪い物”ではなくなっているようです。これは、皆が背負うから自分もという『仲間意識』の強まりとともに、最近のランドセルは機能的で軽量、そして色やデザインの選択肢も多いことが原因しているようです。 菜の花や見えて隠れてランドセル ワシモ 4月になって、新しい制服に新しいランドセルを背負ったピカピカの一年生が集団登下校している光景を目にすると、新しい年度が始まったのだといっそう実感されてきます(著者の住む辺りの小学校ではいまだに制服着用です)。新一年生の入学を祝い、成長を祈念したいです。 |
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2011.03.02 | ||||
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