コラム | ・オリオン座 |
− オリオン座 −
|
皆さんのご自宅から星空はご覧できますでしょうか。冬は大気が冴えに冴えわたって、夜空の星が一年で最も鮮明に見える季節です。そして、冬の星座と言えば、やはりオリオン座が最も印象的でしょう。 あたかもベルトのようにななめ1列にならんでいる『三つ星』が特徴で、その左上に1等星のベテルギウスが赤く光り輝き、右下にやはり1等星のリゲルが白く輝いている配置は美しく、わかりやすいです。 古来人々は、その星の配置から、ギリシア神話に登場する大男の狩人オリオンが片手に退治したライオンの毛皮をもち、もう一方の手で太いこん棒を振りかざしている姿をイメージしました。 ・図鑑でオリオン座を見る → http://zukan.kids.yahoo.co.jp/astro/winter/0006.html ギリシャ神話によると、巨人オリオンは海の神ポセイドーンの子で優れた猟師でしたが、『この世に自分が倒せない獲物はいない』と驕(おご)ったため、地中から現れたさそりに毒針で刺し殺されてしまいます。そのため、夏のさそり座が現れるとオリオンはその雄姿を隠してしまうようになりました。 *** さて、そのオリオン座を構成する星たちのなかで最も明るい『ベテルギウス』は、ここ15年で約15%も縮んでおり、超新星爆発の時期が近づいているのではないかといわれています。 超新星(ちょうしんせい)は、大質量の恒星がその一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象のことをいいます。なぜ新星というかといいますと、夜空に明るい星が突如輝き出し、まるで星が新しく生まれたように見えるからです。 ベテルギウスはもともと太陽の20倍の質量を持つ天体ですから、その寿命と共に超新星爆発を伴うのは確実だといわれており、ベテルギウスが超新星爆発を起こすと、約3カ月間はマイナス11等級ほどの明るさを維持して輝くとされています。 (天体の明るさを表す尺度である等級はその値が小さいほど明るい天体であることを示し、0等級よりも明るい天体の場合の明るさを表すにはマイナスの数を用います。ちなみに、半月はマイナス10等級前後の明るさだといわれます。) 超新星爆発を起こしたベテルギウスは、その後は、約2年で爆発前と同程度の1等星の明るさまで戻り、4年後には肉眼では見えなくなるほど暗くなると推測されているそうです。 現在地球上から見えるベテルギウスは 640年前の姿です(すなわち地球からベテルギウスまでは 640光年の距離がある)ので、ひょっとするとベテルギウスはすでに超新星爆発を起こして消滅し、この宇宙にはもう存在していないのかも知れません。 *** 是非見てみたい天文ショーですが、気になるのは爆発によって放出されるであろう有害な宇宙線が地球に悪影響を及ぼさないかどうかです。ネット等の記事によると、最近の研究により、直撃の心配は無いことが分かっているそうです。それでも、ベテルギウスがなくなり、現在の美しいオリオン座の形が崩れるのは残念な気がします。 |
|
2014.12.17 | ||||
|
||||
− Copyright(C) WaShimo AllRightsReserved.− |