レポート | ・修正鬼会(しゅじょうおにえ) |
− 修正鬼会(しゅじょうおにえ) − |
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国東半島には、旧正月に赤鬼と黒鬼が松明を持って暴れまわり、国家安穏・五穀豊穣・万民快楽(けらく)を祈願する『修正鬼会(しゅじょうおにえ)』と呼ばれる仏教行事が残されています。 豊後高田市の天念寺の修正鬼会では、午後7時頃、天念寺前の長岩屋川で松明入れ衆が身を清めることから祭りがスタートし、午後8時頃、大きな大松明(たいまつ)に火がつけられます。 松明がゆすったり地面にぶつけたりされて火の粉が飛び散り、だんだんと火祭りらしい雰囲気になると、僧侶が現れ講堂内で読経が始まります。そして、午後10時ごろ、まず赤鬼が現れ、松明を持って講堂内をあばれ回り、続いて黒鬼が現れると、祭りがクライマックスを迎えます。 松明の煙が立ち込め、火の粉が飛び散る中で、見物客は鬼に背中やお尻を松明で叩いてもらって無病息災を祈ります。 ・国指定重要無形民俗文化財『天念寺修正鬼会』 → http://washimo-web.jp/Information/Onie.htm 修正鬼会は、六郷満山を開いた仁聞菩薩(にんもんぼさつ)が、養老年間(717 〜724 年)に、六郷28ケ寺の僧侶を集めて始めたのが始まりで、江戸時代には、20ヶ所以上の寺院で行われていたと言われますが、いまは天念寺と国東町の岩戸寺と成仏寺(じょうぶつじ)の3ヶ所で行われています。 鬼会は、「追儺式(ついなしき)」が変化したものと言われます。追儺式は、もとは大晦日の夜に悪鬼を祓(はら)い、疫病を封じる宮中の行事だったのが、民衆化して節分の豆まきとなりました。 「鬼は外〜、福は内〜」と言われるように、一般に鬼は病気や不幸をもたらす邪悪なものとされていますが、修正鬼会の鬼は人々に幸せをもたらす良い鬼で、赤鬼は災払鬼(さいばらいおに)で愛染明王(あいぜんみょうおう)の、黒鬼は鎮鬼(しずめおに)で不動明王(ふどうみょうおう)の化身といわれています。民俗学的には、ナマハゲなどと同様、新年の始まりに祝福を与えに来訪する一種の祖霊神と考えられています。したがって、国東の鬼の面には角がありません。 天念寺の隣りにある長岩屋伝統文化伝習施設『鬼会の里』の公式ホームページで、修正鬼会の様子を知ることができます。 → http://ww35.tiki.ne.jp/~onie-sato/index.html 【参考にしたサイト】 この記事は、下記のサイトを参考にして書きました。 ・「大分歴史事典」〜修正鬼会 ( しゅじょうおにえ)−幸福をもたらす鬼 → http://www.e-obs.com/heo/heodata/n323.htm |
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2005.09.13 | ||||
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