レポート | ・フィットと燃費計の話し |
フィットと燃費計の話し |
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今年(2008年)の6月からまたガソリンが値上がりしました。皆さんのところでは、リッター何円ほどになったでしょうか? 私が住む鹿児島県の北薩摩地方は、県内でもガソリンの値段が高いところで、日頃利用するスタンドは、6月2日現在、レギュラーが
180円、ハイオクが 190円(いずれも消費税込み)という値段です。この調子だと、年末までにリッター二百数十円の大台突破も夢(?)じゃないような雰囲気ですね。 私の愛車のアウディA4は、2002年1月購入の 2.4リッターのV型6気筒エンジン。足回りのトルクに不足はなく、コーナリングの安定性は抜群、そして、何よりボディの剛性に優れ、高い衝突安全性を確保。とてもお気に入りのセダンですが、ただ一つの難点は、燃費。リッター 8.5kmしか走りません。 片道25kmの通勤距離を毎日往復し、休日に鹿児島市内(片道50km)に出たり、あちこち用足しに出かけたりすると、10日に1回、70リッタータンクを満タン給油することになります。ハイオクですから、190円×70リッター= 13,300円。従って、月にガソリン代が、4万円。 わが家の家計システムでは、亭主のガソリン代は亭主のポケットマネー(お小遣い)から落とすことになっていますから、このままでは大変です。仮に、リッター 250円になったとすれば、月のガソリン代が52,500円になります。だからと言って行動範囲を狭めたくもないし。何か手を打たねばなりません。 そこで打った手が、連れ合いと車の交換。しかし、連れ合いの車も1996年型のホンダインスパイヤー(直列5気筒、2リッターエンジン)で、レギュラーガソリン仕様ではあっても、決して燃費が良くありません。また、17万kmも走っていて、安全性にも問題があったのでこれを、ホンダ・フィット( 1.5リッター、ミッションCVT)と買い換え、私がフィットに乗り、連れ合いがアウディA4に乗ることになりました(連れ合いの日常の走行距離は、しれている)。 かくして、ホンダ・フィットが5月26日に納車されました。塗装色は、迷った挙句に無難なシルバー。今、一番売れている車ということに違いないですが、当然、足回りのトルク、コーナリングの安定性、ボディ剛性などは、遠くアウディに及びようもありません。そこは、燃費を最優先して購入した車ゆえ、諦めるしかありません。乗ってみると、意外に室内が広いのがうれしい。そして、ちゃんと『燃費計』なるものが付いています。 燃費計は、下の図のような計器。瞬間瞬間の燃費と、これまでの平均燃費が表示されます(燃費は、ガソリン1リッターで走行できる距離ですから、単位は、km/l となります)。瞬間瞬間の燃費は、ランプが棒グラフ状に点いたり消えたりして示されます。 例えば、アクセルを踏み込んで加速する瞬間は燃費が悪いので、例えば、図(a)のように、リッター当り6km付近を示す棒グラフになります。アクセルを踏まないで車が走行しておれば、図(c)のように、1リッター当り40km以上の燃費の良い状態になります。 さて、平均燃費はというと、納車の翌日に初めて乗ったとき燃費計の表示していた値は、7.5 km/l でしたが、徐々に上昇し、一週間後には 20.5 km/l まで上昇しで落ち着いています。なお、メーカーのカタログ値は、19.6 km/l(10・15モード走行)となっています。 ここで、2つの車の燃費について整理すると次のようです。 アウディA4からホンダ・フィットに乗り換えた場合のガソリン代の節約がどれぐら いになるか計算してみると 8.5 km/l ÷ 20.5 km/l × 180円/l ÷ 190円/l = 0.393 となり、6割以上ガソリン代を節約できることになります。月々 4万円×0.6=2万4千円の節約になります。年当り28万8千円の節約ですから、7年で車の購入代金を回収できる計算になります。 通勤や日常の足には燃費の良いホンダ・フィットを使い、アウディA4はドライブを楽しむ車として使い分ける使い方が、家計の実情に合った車の利用法ということになるでしょう。 車の燃費は、走行距離を燃料消費量で割れば求まります。すなわち、 燃費(km/L) = 走行距離(km) ÷ 燃料消費量(L) 最近の車はコンピュータ制御されており、ECU(エンジンコントロールユニット)と呼ばれるマイクロコンピュータが、アクセル開度(アクセルの踏込み具合)や空気流入量および負荷などからエンジンへの燃料噴射量を計算し、燃料噴射装置に司令を出しています。 エンジンに噴射される燃料の量を直接測定するには特殊な装置が必要なので、ECUが燃料噴射装置へ出力する燃料噴射量の司令値を取得して燃料消費量が求められ、いっぽう、車速パルスから車の走行距離が求められ、燃費が計算されます。 最近販売されている車には、燃費計が標準装備されているようですが、燃費計が装備されていない車は、2〜3万数千円の燃費計が市販されているので取り付けることができます。 運転席あるいは助手席近辺に、車が故障したときにECUに接続して故障診断を行なうコネクターがあるので、そのコネクターから燃料噴射量の司令信号と車速パルス信号を取得して燃費を計算します。例えば、次のような燃費計が市販されています。 ・TECHTOM テクトム - 燃費マネージャー ・e-nenpi マルチ燃費計 pivot さて、燃費計が付いていると、燃費の良い、優しい乗り方を意識するようになります。車を急発進(急加速)させるには大きな力が必要なため燃料をたくさん使用し、燃費が悪くなります。また、車がせっかく惰性(正確には慣性といいます)で走行しているのに、ブレーキをかけるのはもったいないですね。 燃費の観点からは、ゆっくり加速して、目的地につくまでに一度もブレーキを踏まない運転の仕方が理想的といえます。例えば、前方に赤信号が見えたら早めにアクセルから足を離して車を惰性で走らせ、ブレーキをかけないでちょうど信号機のところで車が止まるようにするのです。そのためには、車間距離を広めに取り、適当な時速で車を走らせる必要があります。 上り坂がある場合でもあきらめないで下さい。上り坂があれば必ず下り坂がありますから、下り坂ではアイドリング(アクセルを踏んでいない状態)運転で車を走行させ燃費を稼ぎましょう。出来るだけブレーキをかけたくないですが、あまり我慢をすると危ないですから、適当にブレークを使います。 下り坂で燃費を稼ぎたいからと言って、決してエンジンは切らないで下さい。エンジンを切ると、ハンドルが重くなりハンドルが切れませんし、ブレーキを踏込んでも重くてブレーキがかけられません。大変な事故につながります。 エンジンで油圧ポンプをまわして得られる油圧や電動モーターの回転でステアリング(かじ取り装置)を動かす仕組みで、私たちはハンドルで車のかじを切っています。この仕組みをパワーステアリングといいますが、エンジンを切ると油圧ポンプや電動モーターが回らなくなり、ハンドルが切れなくなります。 一方、ブレーキは、車輪と一緒に回っているディスクやドラムにパッドやシューを押し付けることによってブレーキ力(制動力)を発生させますが、私たちがブレーキ・べダルを踏込む足の力の3〜5倍の力が必要なため、エンジンの負圧を利用した倍力装置で大きな油圧力を得てブレーキをかけています。したがって、エンジンを切るとブレーキが重くなってブレーキがかけられなくなります。 例えば、大型スーパーや新幹線などの駐車場で最近気がつくのが、普通車のコンパクトカーや軽自動車が非常に多くなったことです。ガソリンの値段がリッター 200円に近づき、ましてや 200数10円に達するようなことにでもなれば一層、燃費を優先した車選びや運転操作を考えずにはいられません。 【補遺】 今年(2008年)の5月下旬に購入した『ホンダ・フィット1.5RS』(排気量1496cc、 ミッションCVT、駆動方式FF、使用燃料レギュラー、価格157.5万円)は、購入当初、20.5 km/Lの数値を示していた燃費計ですが、3ヶ月経った現在、19.4 km/L を示しています。メーカーのカタログ値が、19.6 km/L(10・15 モード走行)ですので、まあまあというところですが、しかし実燃費(走行距離を補充した燃料量で割った値)を計算してみると、17.7 km/L という数値になります。つまり、燃費計は、実燃費より約1割高い数値を示しているようです。(2008.8.25) |
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2008.06.04、06.11 |
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