レポート | ・第3回まごころ青春短歌大会 |
− 第3回まごころ青春短歌大会 −
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2010年11月20日(土)、第3回まごころ青春短歌大会発表会が薩摩川内市入来文化ホールで開催されました。この短歌大会は、短歌の普及と短歌に親しむ青少年の育成を目的として、鹿児島県歌人協会青春短歌委員会(森山良太委員長)の起案と支援により、薩摩川内市で結成された実行委員会(入来院重朝委員長)が2008年より開催しているもので、第3回の今年は、県内の中学生と高校生から昨年より約8,000首多い19,183首(中学生
10,727首、高校生8,456首)の応募がありました。 4名の選考委員によって、中学生の部と高校生の部の特別賞、特選、入選、佳作がそれぞれ選考されました。20日の発表会には受賞者や関係者らが参加、賞状や歌を書いた短冊などの贈呈があったあと、選者で歌人の伊藤一彦さんの記念講演があり、そのなかで特別賞の作品ひとつひとつについて講評を話されました。特別賞の各8首を以下に紹介します。 【中学生】 ○まごころ青春短歌大賞 青空がとけたプールに飛びこんだあっというまの五十メートル 鹿児島市立武中学校・一年 竹之内 慧 《選者評》 「青空がとけたプール」とはよほど豊かな感性でなければ言えない。 一首のリズムは軽快で、いいタイムを出している。 ○鹿児島県知事賞 おだやかにわたしのこころつつみこむきみはとまり木わたしはことり 鹿児島市立伊敷中学校・三年 四元 りさ ○薩摩川内市長賞 なにもかも終わらせなければどうなるか分からないのだ奇跡願いて 南さつま市立大浦中学校・二年 有木 光 ○鹿児島県歌人協会賞 忙しいわたしの横で猫もまた忙しそうにする毛繕い 十島村立平島中学校諏訪之瀬島分校・二年 原 愛美 ○南日本新聞社賞 消しゴムをとってくれたのキミだったぼくのハートもとってください 薩摩川内市立入来中学校・三年 黒武者 拓己 ○岩屋莫哀賞 好きな人?そんなのいないと言うけれど「いる」とは言えない君だから 鹿児島市立郡山中学校・三年 田知行 朋郁 ○森園天涙賞 青春の意味が分からず辞書をひくそれでも分からず友達を見る 肝付町立国見中学校・三年 梅田 彩加 ○萬造寺齊賞 夏祭り金魚に花火楽しんで家に帰れば宿題祭り 鹿児島市立緑丘中学校・二年 福盛 真奈美 【高校生】 ○まごころ青春短歌大賞 天の川一滴残らず飲みほして歩いてゆくよ君のところへ 鹿児島県立伊集院高等学校・三年 小松 弘侍 《選者評》 「天の川一滴残らず飲みほして」の表現の若さに感嘆する。 下の句はゆったりとして、このおちつき具合は心にくいばかりだ。 ○鹿児島県知事賞 キャンバスに無数に転がる君の色私にはないあなたの世界 鹿児島県立加治木高等学校・二年 永田 彩花 ○薩摩川内市長賞 擦り切れた紙の相棒手に収めるこいつと学ぶ異国の言葉 鹿児島県立種子島高等学校・二年 江口 徹 ○鹿児島県歌人協会賞 白いシャツ太陽よりも眩しくて堂々と立つ君が大きい 鹿児島県立川内高等学校・一年 坂中 しおり ○南日本新聞社賞 出産の牛を見学できたとき初めて知った親の強さを 鹿児島県立市来農芸高等学校・三年 福山 美緒 ○岩屋莫哀賞 祖母の味母に伝わり子へ伝ういつの時代も味は変わらず 鹿児島県立出水高等学校・二年 山内 俊 ○森園天涙賞 僕のこぐ自転車の後ろで今君はどんな気持ちで何思ってる 鹿児島県立川内高等学校・一年 堀切 竜 ○萬造寺齊賞 「私だけずっと見つめていて欲しい」扇風機が首を振ってる 鹿児島県立末吉高等学校・三年 中村 斗真 第3回まごころ青春短歌大会は、薩摩川内市提案公募型補助金の交付を受けて実施されました。選考委員は、伊藤一彦氏(歌人、第42回迢空賞受賞)、川涯利雄氏(歌人、現代歌人協会員、『華』短歌会前代表)、川野ちづゑ氏(歌人、『かごしま短歌時評』執筆者)、森山良太氏(歌人、第51回角川短歌賞受賞、『華』短歌会代表)の四氏が務めました。 |
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2010.11.23 | ||||
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