レポート  ・失われたイスラエル10支族   
− 失われたイスラエル10支族 −
『日ユ同祖論』(にちゆどうそろん)とか、『失われたイスラエル10支族』という話しをご存知でしょうか。日本人とユダヤ人は、共通の先祖を持つ兄弟民族であるというのです。
 
淤岐嶋(隠岐島、一説に単なる沖の島)に流された白兎は、本土に渡る手段とするため、『君たちの仲間と、私の仲間とどっちが多いか競争しよう。できるだけ仲間を集めて気多(けた)の岬まで一列に並びなさい。私がその上を跳び越えながら数えてあげる』といって、海の和邇(わに)をだまします。
 
よく知られている出雲神話『因幡の白兎』ですが、この話しで論争になるのが、和邇(わに)は、本当にワニ(鰐)なのかという点です。ワニ説とサメ説があるようですが、マレー半島には、鹿がワニを並ばせて川を渡る説話があるそうです。
 
川の向こう岸に果実のなった木があるのを見つけた鹿は、向こう岸へ渡るのに『俺はソロモン王の命令によってお前たちを数えに来た。こちらから向こう岸まで一列に並びなさい』といってワニたちを並ばせます。マレー半島のこの説話が『因幡の白兎』のルーツだというのです。ソロモン王は、旧約聖書に登場する古代イスラエル王国の第3代の王(紀元前965年〜紀元前925年頃在位)ですから、ここで出雲と古代イスラエルがつながるのです。
 
              ***
 
一方、長野県諏訪市の諏訪大社にも古代イスラエルとのつながりを示唆するものがみられます。毎年4月15日に行われる『御頭祭』という祭りで昔は、75頭の鹿が生贄(いけにえ)として奉納され、そのなかの一頭は必ず耳が裂けていたそうです。かつてイスラエルのモリヤの山(ソロモン王が神殿を建てた丘)で行なわれる過越祭では75頭の羊が生贄にされていました。
 
また、この御頭祭で江戸時代頃まで『御神(おこう)生贄の神事』という奇妙な儀式が行われていたそうです。神の使いとしての役割が与えられた御神(おこう)と呼ばれる少年を柱に縛りつけ、神官が少年の上に刀を振り上げるしぐさをします。丁度そのとき、別の男が現れて神官の動作を止め、少年は解放されます。
 
この奇妙な神事は、旧約聖書の『創世記』22章に記述されている『イサクの燔祭』にそっくりだというのです。燔祭(はんさい)とは、古代ユダヤ教で、犠牲の動物を祭壇で焼き、神に捧げた儀式のことです。神は、アブラハムを試みて彼に『あなたの子、あなたの愛するひとり子イサクを連れてモリヤの地に行き、彼を燔祭として奉げなさい』と命じます。
 
アブラハムは、激しい苦悩の末その命令に従いモリヤの山に向かい、イサクを縛り、たきぎの上に横たえます。しかし、アブラハムがイサクの上に刃物を振り上げた瞬間、天から神の使者が現れてその行為を止めます。アブラハムが周囲を見回したところ、茂みに角をからませた雄羊がいたので、彼はそれをイサクの代わりに神に捧げました。この一頭の羊は、アブラハムのために神が用意してくれたものだといわれます(ウィキペディアより)。
 
諏訪大社の御頭祭の耳が裂けた一頭の鹿は、神が用意してくれた一頭の雄羊を象徴していたと思われます。なお、諏訪大社上社本宮は、守屋山(標高1,650m)を御神体山としています。『守屋山(もりやさん)』と『モリヤ山』、単なる偶然の一致でしょうか?
 
              ***
 
古代イスラエルは、紀元前10世紀になってソロモン王のもとで繁栄の絶頂を迎えます。当時イスラエルは、12部族が統一王国を形成していましたが、ソロモン王が死ぬと部族間の抗争により統一体制が崩れ、やがて10部族がイスラエル王国(北王国)として独立し、南のエルサレムを中心とするユダ王国(南王国)と分離しました。ユダヤ人とは、基本的にはこの南王国ユダの人々とその子孫をさすのですが、ユダヤ人をイスラエル人と同義に使う場合もあり、明確に区分けされていないようです。
 
その後、紀元前8世紀になって、イスラエル王国の首都サマリアは、東のアッシリア帝国によって陥落します。アッシリアのサルゴン2世はサマリアのイスラエル人を奴隷として連れ去り、あるいは追放して、その土地にメソポタミアなどからの異民族を移住させました。ここにイスラエル王国は滅亡します。このとき、故郷の地から引き離された10部族の行方が記録に残されていないため、のちに『失われた10部族』と呼ばれるようになりました。その一部が日本にやって来たというのです。いわゆる『日ユ同祖論』です。
 
国家滅亡という局面の中で、イスラエルの無数の民は大予言者イザヤの予言に従って祖国を脱出し、東方へ民族移動を始めました。その一部が、日の出づる方角にある『海の島々』、すなわち日本列島にたどり着いたというのです。
 
『古事記』にいわく、天津神に命を受けたイザナギとイザナミが、天浮橋(アメノウキハシ)に立って天沼矛(アメノヌボコ)を降ろして混沌をかき混ぜ、矛の先から滴り落ちたものが積もって島となった。二人は、高天原(タカマガハラ)からその島に降り立ちます。
 
このイザナギとイザナミこそ、イスラエルの救世主としてアジア大陸を横断してきたイザヤの王子らに違いないというのです。そして、二人が降り立った高天原(タカマガハラ)は、イスラエル人の放浪の起点となった、タガーマ地方のハランという場所を意味するというのです。そもそも、『大和(ヤマト)』の発音は、ヘブライ系アラム方言の『ヤ・ウマト(神の民)』が縮まってできたもので、『帝(ミカド)』の発音も古代ヘブライ語の『ミ・カド(カド族の王)』に由来するなどといわれています。
 
              ***
 
旧約聖書(創世記)と古事記や日本書紀に多くの類似点がみられほか、神社に関する神道とユダヤ教にも多くの類似性がみられるといわれます。例えば、日本もユダヤも水や塩で身を清める禊(みそぎ)の習慣がある。エルサレム神殿の門には、天皇家の16弁の菊花紋と共通した紋章が刻み込まれている。古代ヘブライ神殿と日本の神社の構造が似ている。祇園祭と古代イスラエルのシオン祭に多くの共通点がみられる。
 
また、ヘブライ語には、日本語に類似した言葉がたくさんあるといわれます。例えば、アッパレ(=APPR 栄誉を誇る)、アラ・マー(=YL・MH どうした理由・何?) アナタ(=ANT 貴方)、アリガトウ(=ALI・GD 私にとって幸運です)、サヨウナラ(= SYIR・NYRH 悪魔は追い払われた)ダマレ(=DM・ALI 沈黙を守れ)、オハリ(=AHR 終端)など(フリー百科事典『ウィキペディア』より)。
 
日本とイスラエルの類似を示唆する傍証はその他にもたくさんあり、『日ユ同祖論』は、必ずしも特定の人たちだけが支持している所説ではないようですが、あなたはどのように感じ、どのように思いますか?
 
【参考にしたサイト】 
[1]新科学と健康と雑学: 日本のルーツは古代イスラエル?
[2]古代遺跡な旅ブログ:★日本人のルーツはイスラエル?!
[3]INTEC JAPAN/BLOG:●大和民族のルーツはイスラエルである
[4]ユダヤと日本 イザナギ神話の謎に潜むイスラエルとイザヤ一族の影
[5]日ユ同祖論 - ウィキペディア
[6]諏訪大社に伝わるイサク奉献伝承
   
■お便り紹介■ − 古代ユダヤのメルマガのこと −
 
レポート『失われたイスラエル10支族』をお読み頂き、大阪在住の坐忘さん、岡山在住のモーリーさんより、とても大事な視点からご指摘、示唆、コメントを頂きましたので、ご紹介させて頂きます。坐忘さん、モーリーさん、ありがとうございました。
 
              ***
 
●○● レポート拝見しました。失われた十支族と日本との関係は、近年、テレビ東京系の新説・日本ミステリーなどを中心にあからさまに語られるようになってきましたね。両者の類似性は、明治の開国からまもなくして取り沙汰され、石屋(フリーメーソン)問題とともに今日までかなり活発に語られてきています。
 
私見ではもう疑う余地のないものと思っておりますが、いくつかの大きな神社には古来の伝承として連綿と伝えられ、封印の解ける日を待っているものもあると承っております。
 
例えば、丹後の元伊勢の籠神社は日本最古の系図をもつ神社でもありますが、この籠はモーゼがナイルで籠に入れて流された故事に因むものであるようですし、宇佐神宮では神仏混交の背後にさらに古代ユダヤと中国道教、印度仏教、およびアニミズム原始神道の一大混交が行われていた模様です。またわれわれの家紋の中にも、どの支族の出身かを表す鍵が隠されているそうです。
 
四国の剣山にソロモンの秘宝が隠されているとして、実際に私財を投じて発掘調査をしたのが、薩摩の山本権兵衛の甥の山本英輔海軍大将でしたね。山本家は大隅八幡の神官の家系ですから、こういう問題には鋭敏であったであろうと推察できます。
 
しかし、これを日ユ同祖論として扱う場合に注意すべきことは、現在のイスラエルと古代ユダヤとは、ほとんど関係が無いという点です。戦中戦後、ヒトラーに追われるようにしてイスラエルの地に入植したのは、白系アシュケナージユダヤで、聖書の民とは何の関係もない改宗ユダヤ人たちであることです。偽ユダヤと言われる所以です。
 
この点を抑えておかないと、現在イスラエルと白系ユダヤの狂気じみた行ないに振り回されてしまいます。鳩のように柔和であることは達成されていても、蛇のように賢くなるようにいまの日本はもうちょっと努力しなければなりませんね。われわれはわれわれで、ゆっくり落ち着いて自分の中の古代ユダヤが語る声に耳を済ませればいいのではないでしょうか。(大阪在住 坐忘さんより)
 
              ***
 
●○● ユダヤのことがレポートに書かれてあってびっくりしました。私は、プロテスタントクリスチャンで、教会で聖書を学んでいます。ユダヤの問題はかなり深く学びました。イスラエルにも行ってきました。ユダヤやイスラエルについて話をするとほとんどの人が引いてしまうので、最近は語ることがない自分がずっといました。だからビックしたわけです。
 
いろんな面白おかしい説もあるのですが、こうして事実だけをならべてみると何かが見えてきますよね。私の知っている事実は、お正月のことです。ユダヤのお正月の行事と日本のお正月の行事はそっくりなんです。
 
ユダヤではまず新年(ユダヤ暦)の前日には、徹底的にすす払いをして大掃除をします。これはモーセの出エジプトのことに始まっています。酵母のないパンを食べたことを忘れないためにお正月には酵母のはいっていないパンを食べます。そのために徹底的にすす払いをするのだそうです。そのパンの名前は「モッツア」です。お正月にはモッツアを7日間食べて、出エジプトのとき苦い菜を食べたことを忘れないために7日目に苦い菜を食べます。日本の「大掃除」「もち」「七草」の風習と似ているのは偶然でしょうか。
 
あと有名なのは、祇園祭とユダヤの「チオン」の祭りです。夏の疫病を防ぐ祭りだそうです。山車の模様が中近東の模様なんですよね。ユダヤの末裔がどうのこうのというより、まだ日本が縄文のころ、高度な文明を持った人々がやってくれば、その人たちが指導者になりさまざまな分野で影響を残したと考えるのはとても自然なことだと思っています。(岡山在住 モーリーさんより)

 

2009.03.08
あなたは累計
人目の訪問者です。
 − Copyright(C) WaShimo AllRightsReserved.−