レポート  ・レガシーコスト   
レガシーコスト
レガシー、あるいはレガシィ(LEGACY)といえば、スバル(富士重工)の看板車種であるスバル・レガシィを思い起こしますね。車好きに人気のある車のようです。レガシィ(LEGACY)とは、『大いなる伝承物』、『後世に受け継がれてゆく物』、もしくは『遺産』の意ですが、オーストラリアでは、LEGACYという単語が戦争を想起させる(第1次世界大戦後の1923年に設立された、戦争未亡人や孤児などの援助基金LegacyAustraliaという団体がある)というので、『リバティ(LIBERTY 』という車名で売られているそうです(フリー百科事典ウィキペディアを参考)。
 
コンピュータ用語に、『レガシーデバイス』という言葉があります。10年程度前からパソコンを使ってこられた方には、今はもう使われなくなった、あるいは使われなくなりつつある周辺機器やインタフェースが結構ありますね。
 
例えば、以前は記憶媒体としてFD(フロッピーディスク)が活躍していましたが、最近はUSBメモリに取って代られ、ほとんど使われなくなりました。また、MO(エムオー)とかZip(ジップ)といった記憶媒体も使われなくなりました。
 
また、パソコンとプリンターをつなぐケーブルも、あの太いセントロニクスケーブルから、最近はUSBケーブルに代りつつあります。このように、パソコンに使われているデバイスやインタフェースのうち、現在ではほとんど搭載されなくなったものを、レガシーデバイス、あるいはレガシーインタフェースと呼びます。
 
そして、最近話題になっているのが、『レガシーコスト』(LEGACY COST )です。過去のしがらみから生じる負担(いわゆる負の遺産)のことであり、狭義には、企業等が退職者に対して支払い続ける必要のある年金や保険などといった金銭的負担を指していいます。
 
このレガシーコストが足かせになっているのが、今年(2009年)6月1日に、連邦倒産法第11章の適用を申請したGM(ゼネラルモーターズ)です。米国では、国民皆保険制度がないため、会社が退職者の医療費を負担しなければなりません。GMは創業100年の歴史を持つ企業で、退職者およびその医療保険対象家族の人数が、膨大な数に上り、GMは、年当たり1兆円のレガシーコストを負担しなければならないといわれますが、今後負担し続けて行けるのでしょうか?
 
年金や高齢者医療など、充実して欲しいですが、制度が破綻しては元も子もありませんね。わが国の年金制度も、医療保険制度も、他山の石とせねばなりません。
 

2009.06.10 
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