過疎化克服で注目されている宮崎県西米良村(にしめらそん)を訪ねたらまず理解しておきたいのが『カリコボーズ』(あるいは、かりこぼうず)のことです。
橋や施設などの名前になっていて、あちこちで見かけ、西米良村のキャラクターにもなっているからです。西米良村で昔から伝承されてきている『カリコボーズ』は、春の彼岸から秋の彼岸までは川に下り、川を守る水神に、秋の彼岸から春の彼岸までは山に登り、山の守る山の神になる村の精霊、守り神です。
その『ホイホイ』と鳴く声が、狩りをするとき鳥獣を駆り立てる者、すなわち狩子(かりこ)に似ていることからそう呼ばれます。つまり、狩子坊主といううわけです(狩子は勢子(せこ)ともいわれます)。村では、カリコボーズをイメージキャラクターとして『ホイホイくん』と名付けています。
カリコボーズの伝承が示すように、西米良村は、昔より口頭伝承によって受け継がれている民話が 100話も 200話も残っているという民話の宝庫。西米良村語り部の会では、民話を発掘し、後世に伝承していくと共に、村内外のイベントで披露する活動に取り組んでいます。
また、小学校3年生になると、民話の語り部をさせる授業があるそうです。民話には、こっそり躾(しつけ)がかくされていると。川の駅『百菜屋』に手づくりの民話絵本が売っていたので三冊買って帰りました。
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