雑感 | ・自民党について思うこと |
− 自民党について思うこと − |
||||
わずか5票という僅少差で、郵政民営化関連法案が衆院本会議で採択された2005年7月5日の夜のNHKニュース10のインタビューの中で、執行部の一人である自民党政調会長が『表面上は、派閥抗争に映るが、実は社民(主義)的なものと市場原理主義とのイデオロギー(思想)の対立であった』と述べていたのが印象に残りました。(※注記:ここで言う『社民(主義)的』とは、社民党のことを示しているのではありません。) 確かに、反小泉の旗頭的存在である某自民党代議士のサイトを覗いてみると、次のような記述があります。 『市場原理主義、グローバリゼーションというようなアメリカ型社会にとうとう進んで行ってしまうのです。弱肉強食というのは当たり前だという価値観が普遍化してきている。それで社会が活力化するならいいじゃないかと言う人がいる。怠け者だから落ちこぼれると言う人があるかも知れないけど、しかしまじめにやっていてもなお落ちこぼれるような社会でいいのかどうかという問題であります』と。 しかし、自民党の反小泉の人たちは、小泉改革に抵抗する勢力と言われ、守旧派とも呼ばれた人たちです。かつて保守本流を歩いてきた人たちです。社民(主義)的と言われても、守旧が、既得権益を守るのが本音じゃないかとどうしても映ってしまう。でなければ、民主党とどこがどう違うのか。先ず、そこのところを払拭(ふっしょく)してもらいたい。 一方、私たちが小泉政権に望んできたのは、行き過ぎた市場原理主義や市場原理至上主義の実現でしょうか。 社会のあらゆる領域へ市場原理を無制限に適用して行くと、貧富格差の拡大、地域経済の崩壊、家族の崩壊、治安の乱れ、社会不安の増大、社会的諸基盤の弱体化などがもたらされると言われます。 20世紀のテーマは、資本主義か社会主義かということでしたが、21世紀の基本的なテーマは、資本主義のあり方です。 ヨーロッパ諸国は、市場主義に基盤をおいた構造改革を進めるけれど、『ゆとりと思いやりのある社会』を根底において、市場主義がもたらす『社会的排除』を事前に克服するための教育やコミュニティ政策を視野に置いた、アメリカ型資本主義とは異なるヨーロッパ型資本主義の実現を目指しています。 資源に乏しい国、勤勉な国民性、農耕民族的な歴史と文化、そして平和憲法。わが国は、どのような資本主義国家に進もうとしているのでしょうか。自民党は、党としてのイデオロギー(思想)を示して欲しい。 それとも、郵政民営化関連法案参院否決によって衆院解散となり、政界再編成含みの選挙へ突入するのでしょうか? 選挙となれば、どのような資本主義国家を目指そうとするのか、全立候補者がその理念をしっかり提示して欲しい。そして、選択するのは私たちです。 |
||||
|
||||
2005.07.20 | ||||
|
||||
− Copyright(C) WaShimo AllRightsReserved.− |