レポート  ・一円玉の話し   
− 一円玉の話し −
ある方から、我が家では一年間に一円玉が7キログラム溜りましたというお便りを頂きました。そこで、いつか書こうと思っていた一円玉の話しを書いてみました。
  
一円玉の質量は1グラムで、直径は2cm(20mm)ですから、覚えておくと便利です。例えば、棒とひもと紙皿を使って天秤(てんびん)を作って、一円玉を分銅(ぶんどう)に使えば、1グラムの単位で物の質量を正確に量れます。
  
クロネコメール便(ヤマト運輸)の封筒荷物の厚さ(荷物の一番厚くなっている箇所の厚さ)は2cmまでと決っています。つまり、封筒荷物の厚さが一円玉の直径より薄かったらOKなわけです。縮尺5万分の一の地図の上に一円玉をのせるとその直径が1kmに相当し、縮尺20万分の一の地図だと4kmになります。
  
コンビニエンスストアーAのすぐ隣りにコンビニエンスストアーBが新しく開店しました。コンビニエンスストアーAのオーナーは堪ったものではありません。売り上げが落ちてしまいます。そこで、コンビニエンスストアーAのオーナーは嫌がらせを始めました。一円玉を 345枚もってコンビニエンスストアーBへ 345円の弁当を買いに行きます。20分たったら今度は 245枚持ってサンドイッチを買いに行きます。
 
コンビニエンスストアーBのレジは混乱してしまいます。しかし、実際にはこのような嫌がらせは、『21個以上の同じ硬貨の受け取りは拒否できる』という法律があるからできません。この法律は正確には、『貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する』とありますから、一回の支払いで同じ硬貨を21枚以上出した場合、法律上、通貨として通用しないということですから面白いですね。
 
(注)『貨幣』は、もっぱら補助貨幣の性格を持つ硬貨のみを指し、『紙幣』及び『銀行券』とは区別されています。
 
さて、一年間で溜った7キログラムの一円玉は、7000枚で7000円ということになりますが、これを銀行に持っていって千円札に両替してもらおうとしたらどうなるでしょうか?
 
拒否はされませんが、手数料が取られます。もちろん、銀行では機械を使って数えますから、コンビニエンスストアーのレジのように手で数えるのと比べるとはるかに効率が良いですが、それでも手間がかかるので枚数に応じて手数料が取られます。手数料は銀行によってまちまちのようです。ある地方銀行の窓口両替手数料は次のようになっています。
ある地方銀行の窓口両替手数料
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両替枚数(硬貨、紙幣)  手数料
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1 〜 49枚        無料
50 〜 200枚       105円
201 〜 300枚      210円
301 〜 400枚      315円
401 〜 500枚      420円
501 〜 600枚      525円
601 〜 700枚      630円
701 〜 800枚      735円
801 〜 900枚      840円
901 〜1000枚       945円
1001枚以上       1,050円
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かなり細かく決められていますが、例えば、一円玉 100枚を百円硬貨に両替してもらうには 105円必要ですから、何をやっているかわからないということになり、現実にはあり得ないでしょう。7000枚だと、1050円の手数料が必要となり、実質、千円札5枚と 950円しかもらえないことになります。これでは、損をしますね。
 
そこで、一円玉7000枚を預金すれば手数料はかからないそうですから、いったん預金して、7千円(千円札7枚)引き出せば損をしないですみます。但し、どうしても一円玉が必要で、千円札7枚を一円玉7000枚に両替してもらう場合には、1050円の手数料が必要になります。
 
一円玉は、純度 100%のアルミニウムでつくられ、一円玉一個をつくるのに2円かかるそうですから、一円玉はつくればつくるほど国は損をするわけです。一円玉を拾うと一円以上のコストがかかるから、”一円玉は拾うな!”と言われているようですが果たして本当でしょうか。この話しは、またのとき書きたいと思います。以上、一円玉にまつわる雑学でした。
 

2010.09.08  
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