レポート | ・『鈴かけ馬おどり』の唄 |
− 『鈴かけ馬おどり』の唄 − |
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県内の祭りであるのに、鹿児島神宮の初午祭を見たのは恥ずかしながら初めてでした。馬の出で立ちの本格的なこと。それに、馬があわせて踊るサンバ調の『鈴かけ馬おどり』の唄が、実に面白くって良いのです。まず、下記の旅行記をご覧下さい。 ■旅行記 ・鹿児島神宮 初午祭 − 鹿児島県霧島市 → http://washimo-web.jp//Trip/Hatsuuma/hatsuuma.htm 鹿児島弁がわかる著者は、デジカメを持って馬や踊り連を追っかけながら、その絶妙な唄い回しに、ニヤニヤです。折角なので、『鈴かけ馬おどり』の歌詞の解釈を書いてみました。 *** 見事な八幡馬場、鳥居には鳩が巣をかけるとは、鹿児島神宮のことでしょうか。 鹿児島神宮のある隼人(はやと)の町は、錦江湾(鹿児島湾)の最も奥まった位置にあります。カゴのシマ(鹿児島)の城下とは、距離にして 30数km 離れていて、城下に入るには、加治木(かじき)、重富(しげとみ)を通って、最後に吉野を越えます。徒歩だった昔は、城下への往来もそれなりの難儀があったでしょう。 『ぼっけもん』(向こう見ずなやつ)と言われる薩摩隼人にとって、気が小さいと言われるほど癪(しゃく)なことはなかったでしょう。あなたは、柳の葉っぱより気が小さい、長さが2mにも達するあの芭蕉の葉のような大きな気を持ちなさいと挑発します。 霧島山系を源流として隼人から錦江湾にそそぎ出る川が天降川(あもりがわ)です。その最下流にかかる新川橋のたもとで石を起こせば蟹がいる。蟹はよく焼いて食べないと、生焼けは粗相(そそう=しくじり)のもとですよ、生半可はいけませんよ! と女性のお囃子(はやし)が入ります。 花を千本寄せ集めてみても、あなたに敵(かな)いはしません。なんてその気にさせる口説き文句でしょうか。薩摩隼人も所詮はただの男。 錦江湾に浮かぶ桜島は、びわやみかんの産地です。特に、世界一小さい桜島小みかん(直径5cm足らず)は、とても甘くて美味しい。その桜島から嫁さんをもらったので、びわやみかんは絶えることがない。 それに隼人の小浜や長浜(いずれも地名)では、らっきょや海苔がとれるし、加治木や帖佐(ちょうさ)では、タカンバッチョ(竹皮で編んだ笠)やかまげ(かます=わらむしろを二つ折にして作った袋)を特産としている。 鹿児島弁で、風船が破裂したり、ホウセンカの実がはじけることなどを『ひっぱしる』と言います。段々畑のさや豆が熟れ頃になって一さやはじけると、次々と皆はじける。私は、あなたの後についてはじける、とこれもまた女性のお囃子が入ります。 入口に立っていないで家の中にお入りなさい。お茶もあるし、(若い)女性もいるよ。ひょっとしたら、これは女郎小屋での光景かも知れません。 恋しい小川で鮎(あゆ)を釣るはずの少年が、鮎を釣らずに鯉(恋)を釣っている。 それぐらいの酒だったら、花ならまだつぼみだよ。今日も咲け(酒)咲け(酒)、明日も酒。確かに鹿児島には、焼酎飲んごろ(のんべい)が多いですね。 鈴かけ馬おどり 唄:玉井信江 唄・太鼓:住吉重則 唄:林ふみ子 一、さても見事な 八幡馬場よ 鳥居にゃお鳩が巣をかける ニ、加治木 重富 越ゆれば吉野 吉野越ゆれば カゴのシマ 三、オハンナ気がこめ 柳の葉より 太かバショウ葉の気を持ちゃれ 囃子「新川橋の石じゃ おこせばがねじゃ がねのなま焼きゃ そっそのもとじゃいが」 四、花を千本 よせてもみたが オハンを見るよな 花はない 五、桜島から 嫁じょをもろた ビワやミカンは たえやせぬ 六、小浜ダンキョに 長浜小海苔 加治木タカンバッチョ 帖佐かまげ 囃子「だんだん畠のさや豆が 一さやはしれば 皆はしる 私しゃおはんに ついてはしる」 七、戸口立たずに ちょいと内おじゃれ 内にゃ茶もいる オゴも居る 八、恋し小川で 鮎つるちごは 鮎はつらずに 鯉をつる 九、お酒のむ人 花ならつぼみ 今日も咲け咲け 明日も酒 *** 【備考】 『鈴かけ馬おどり』の歌詞は、初午祭実行員会発行のパンフレットから転載させてもらい、下記サイトを参考にさせて頂きました。 ・鹿児島特産品さつま揚げの老舗●初午祭について → http://ueyama-ya.com/hatsuumasai/ |
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2006.02.22 | ||||
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