コラム  ・人間ドッグ?・人間ドック?   
− 人間ドッグ?・人間ドック? −
鹿児島県内に住んでいながら、もう10年近く、熊本市医師会の医療センターで一泊二日の人間ドック健診を受けています。行き帰りにそれなりの時間とコストがかかるのに、なぜわざわざ熊本まで出かけて行って受診し始めたかと言いますと、10年近く前の当初から胃と同時に大腸の内視鏡検査をやってくれていたのです(当時はまだ、一般的ではありませんでした)。
 
データの継続性ということもあって、今でも熊本まで出かけています。今年も先日受診してきました。今年は、6月から始めた『バナナダイエット』(朝食をバナナ1本とコップ一杯の水で済ませる)が功を奏して、一年前と比べて体重を4kg減量でき、腹囲、体脂肪率が改善できました。
 
さて、ドッグ( dog)は犬のことですから、『人間ドッグ』という言い方、書き方は明らかにおかしいですね。犬のような人間になるために、あるいは人間の犬度を測るために受診に出かけるわけではありませんから。ところが、皆さん、『人間ドッグ』でネット検索してみて下さい。おびただしい件数が検索されます。
 
ドック(dock)よりドッグ( dog)の方が馴染みのある発音であり、『人間ドッグ』と言っても別に意味が通じないわけではありませんし、『にんげんどっぐ』で入力してもパソコンは弾くことなく、漢字変換してくれますから、あまり気にせずに使われているのか、それとも単純なミスなのでしょうか。
 
大きな病院や公立の病院、あるいは大手の生命保険会社のサイトや、著名人のブログなどでも、『人間ドッグ』が堂々と使われていて、現代語として定着しつつあり辞書に載る日も近いのかも知れないという錯覚すら受けるぐらいです。
 
人間ドックという、この種の短期入院検診は、日本では1954年に、国立東京第一病院(現・国立国際医療センター)で開始されたのが始まりで、その後、聖路加国際病院が相次いで開始しました[1]。
 
初めは『短期入院精密身体検査』と堅苦しく称されていましたが、この検査について報道した読売新聞の記事において『人間ドック』という巧みなネーミングがされたことから、やがてこの呼び方が定着したようです[1]。
 
ドック(dock)とは、『船の建造や修理などのために築造された設備』のことで、船が点検や修理のためにドックに入ることを『ドック入り』というように、『人間も船と同じように、時々ドックに入って検査しましょう』という意味の『人間ドック』なわけですね。
 
健康管理や病気の早期発見・予防のために、人間ドックが利用できやすいよう、人間ドックや脳ドックに対する補助が減額されたり、打ち切られたりすることがないよう願いたいものです。
 
【参考にしたサイト】
[1]フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 

2008.10.15
あなたは累計
人目の訪問者です。
 − Copyright(C) WaShimo AllRightsReserved.−