コラム | ・クリスマスローズ |
− クリスマスローズ −
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2009年3月の上旬、クリスマスローズの便りが届きます。クリスマスローズ? 確か連れ合いもクリスマスローズがどうだったとかいっていたな。そこで、『クリスマスローズって知ってる?』とたずねてみると、『うちにもクリスマスローズが咲いたってこの前いったでしょう。また上の空だったんでしょう。』と返事が返ってきます。 庭先の躑躅(つつじ)の潅木(かんぼく)の下に鉢植えで置いてあるというので、翌朝早速ながめてみると、なるほど、草丈30cmあるかないかぐらいの花茎がうつむき加減に清楚な花を咲かせています。一株は白色で、もう一株は赤黒がかった紫色です。一昨年の秋から一年半近くずっとここに置いて育てていると言います。まず、わが家のクリスマスローズをご覧下さい。 ・クリスマスローズの花の写真を見る クリスマスローズという名前は、クリスマスの頃に白いバラのような花を咲かせることに由来し、キリスト教の古い伝承では、貧しい羊飼いの少女がイエス・キリストの誕生を祝福しようと訪れたものの捧げ物がなく途方にくれていると、天使が降り立って雪の中から授けた花だそうです。 文字通り冬の花ですから寒さよりも夏の暑さの方が苦手なので、夏季・冬季を通して半日蔭に置いて育てます。だから、躑躅の潅木の下に隠すように置いてあって気が付かなかったのです。調べてみると、クリスマスローズの健気さにちょっぴり感心させられます。 クリスマスローズは冬の最中に発芽し、気温が暖かくなった2月末から3月にかけて苗床から3号のビニールポットに移され、さらにその後約半年栽培されて8月末〜9月頃に園芸店に卸され店頭に並びますが、それから花が咲くまで順調に行って1年半から2年ぐらいかかるそうです。 わが家のクリスマスローズは、連れ合いが一昨年の秋に苗を購入してきて鉢に植え替えて育て、発芽からまる2年経った今年の2月、やっと花を咲かせたのです。当のクリスマスローズも健気であれば、開花を気長に1年半も待って育てる人も健気といえば健気といえないでもありません。 ちなみに、一年半前に買った苗は、小さな葉っぱがついている小さな苗で、一株 300〜400円ぐらいだったそうですが、今花を咲かせているようなものは、一株2,000円ぐらいで店頭に並んでいるそうです。開花に時間がかかるからそれだけ値が張るようです。 さて、クリスマスの頃に咲く花なのになぜ3月上旬頃話題になるかと言いますと、一般的に日本でクリスマスローズといわれる花には、本来のクリスマスローズである『ヘレボルス・ニゲル』(花期12〜3月頃)と、キリスト教の四旬節(レント)の頃に咲くことから本当は『レンテンローズ』(花期2〜3月)という名前のクリスマスローズとがあるそうです(四旬節とは、復活祭前の6回の日曜日を除いた40日間のことで、復活祭は、たとえば西方教会では、3月22日から4月25日の間のいずれかの日曜日)。 わが家のものは本来のクリスマスローズなのかどうか気になります。ヘレボルス・ニゲルは草丈が30cm以下で、レンテンローズは90cmほどになるといわれ、また、花弁と思われる部分は実は萼(がく)なのですが、ヘレボルス・ニゲルは咲き終わると花弁が緑化して長く残るそうです。だから、わが家のものは本来のクリスマスローズだと思っているのです。 鹿児島はいま桜が満開です。例年より1週間から10日くらい早い満開でしょうか。そん時期にクリスマスローズという花の話題でした。不思議なことに、クリスマスローズは4月30日の誕生花だそうです。花言葉に『追憶』『大切な人』などがあります。 |
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2009.03.25 | ||||
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