コラム  ・フランスを驚かせた”BENTO”   
− フランスを驚かせた”BENTO” −
お母さんたちが、お子さんやご主人のためにつくる、あるいは、家族で出かけるときにつくるお弁当(最近は、パパ弁といって、お父さんたちもつくります)。ただ食べられれば良いという訳ではありませんね。お弁当は、手間ひまをかけて丁寧(ていねい)に暮らす日本文化の一つの例といえるでしょう。
 
いま美食の国・フランスでは、日本式の弁当が大ブームになっていて、昼時には弁当店に行列ができ、家庭では手作り弁当を楽しむ人も増えているそうです。そして、いまや "Bento"という言葉がフランスの辞書に載るまでになりました。
 
文藝春秋のバックナンバーに『フランスを驚かせた”BENTO”』というエッセイを見つけました(文藝春秋、2014年1月号)。筆者のベルトラン・トマさんは、京都大学に留学しそのまま京都にすみついたフランス人です。
 
フランス人向けに日本文化を紹介する中で、日本の弁当箱を紹介したところ予想外の反響があって、ついに京都に弁当箱を売る店を出しました。
 
現在、海外個人向け販売(約70カ国へ発送)と卸販売(ヨーロッパ、アメリカなど60店舗以上)を行い、日本の伝統文化である弁当箱を全世界に発信しています。
 
 ・Bento&co | 京都発弁当箱専門店
        → http://www.bentoandco.jp/
 
近年フランスでも職場に弁当を持参する人が増えているそうですが、フランスの弁当箱は素っ気ないプラスチック容器で、食べるときは中味のパスタやサラダを皿に移して食べるのだそうです。
 
それに比べると、日本の弁当箱は仕切りがあって、つめる食べ物も品々色とりどりで多彩です。そしてそれを箸でつまんで口に運びます。フランスには弁当箱から直接食べる習慣はないそうです。
 
日本の弁当箱が海外の人を惹きつけるのは単なる携帯容器ではなく、そこに『遊び』心があるからだといいます。取り扱っている商品は70%が、石川県加賀市の『山中漆器』だそうです。
 
弁当箱をつくるのに金型職人や塗り職人など多くの職人が関わっているのを知って、フランス人には、信じられないことだと驚いたといいます。
 
 ・山中漆器の弁当箱の例
        → http://www.hakoya.co.jp/
 

2015.01.21
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