レポート  ・第14回南九州市かわなべ青の俳句大会   
− 第14回南九州市かわなべ青の俳句大会 −
鹿児島県南九州市川辺出身の俳人・福永耕二をしのぶ『南九州市かわなべ青の俳句大会』は今年で第14回を数え、県内外の小中高校・特別支援学校の児童生徒 6万 550人から10万9727句の応募があり、最高賞の福永耕二賞をはじめ19の特別賞、特選・入選・佳作、学校賞が選考され、12月8日、同市川辺の市民交流センターひまわり館で表彰式がありました。特別賞に選ばれた19の句を紹介します。
 
■福永耕二賞
 
  通過して陽炎
(かげろう)になる無人駅  れいめい中3年 木場 恭平
               
■鹿児島県知事賞
 
  虫ピンをさす一しゅんのトンボの目  池田学園池田小4年 上田 侃博
 
  サイダーのはじける泡を惜しむ日々  甲東中3年 菊川 芽生
 
  夕焼けの赤がこぼれて金魚鉢     隼人工業高2年 森山 晶葵
   
■南九州市長賞
 
  馬かけるあその五月の風切って    今和泉小6年 小崎 仁
 
  炎天下ボールと僕がゆがんでる    鹿児島第一中1年 永重 宏典
 
  きらめくはラジオの中の花火たち 鹿児島盲学校高等部2年 木原 竜登 
■南九州市教育委員会賞
 
  つくしんぼ抱いてる夢がみなちがう  今和泉小5年 諸留 佑奈
 
  夏終る弓引く友の大人びて      桜丘中2年 福永 彩花
 
  青春を振り撒く夏のベルセウス    甲南高1年 小田陽菜乃
 
■南日本新聞社賞
 
  ライオンの目の中のぼくアフリカンサファリ 加世田小3年 諏訪 悠晟
   
  稲刈りの父の背中の広さかな     川内南中1年 久保 魁哉
 
  東北に願いをこめる流星群      鶴丸高1年 山下 泰裕 
 
■鹿児島県教育委員会賞
 
  いもうとがねがえりうった春の朝   伊敷小2年 宮之脇大翔
 
  もが生えてプールがさびしく叫んでいる  帖佐中3年 源川 太郎
 
  赤ちゃんの背中に見える白い羽    甲南高3年 松元 郁美
 
■鹿児島県俳人協会賞
 
  あさがおにひかったしずくもうおちそう  吉野小1年 北村 峻
 
  せみの声我も負けじと楽器吹く    吉田北中2年 竹田 実樹
 
  夕焼けが針のような影を生む     隼人工業高3年 西園 将也
 
《福永耕二》(1938.1.4〜1980.12.4)
鹿児島県南九州市川辺町生まれ。ラ・サール高校在学中に水原秋桜子の主催する俳誌「馬酔木(あしび)」に投句。鹿児島大学在学中、20歳で初巻頭。1965年に上京、千葉県の私立市川高校に勤務。1971年にわずか32歳の若さで馬酔木編集長を務めるも、1980年に42歳の若さで志半ばにして死去。
   → http://washimo-web.jp/Report/Mag-Fukunaga.htm
  

2012.12.26  
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