雑感  ・'16年頭雑感 〜 再び、原因と結果の法則   
− '16年頭雑感 〜 再び、原因と結果の法則 −
『東芝1万人削減へ』『国内家電の先駆者没落』。平成27年12月22日の地方紙(南日本新聞)の切抜きを見ています。切抜きといっても、総合面(3面)そのもの1ページを保管。ほぼ1ページを割いて、東芝の大規模リストラを伝えています。
 
不正会計で経営再建中の東芝は21日、不振が続く家電事業と本社で早期退職や配置転換を実施し、計約7800人の削減を行うと発表した。すでに決めた半導体関連のリストラと合わせると、約1万 600人に達する。2016年3月期連結決算の純損益が過去最悪の5500億円の赤字になる見通しとなったため、大規模なリストラに踏み切る。パソコンと冷蔵庫など「白物家電」の事業は、他社との統合など再編を検討する。
 
冷蔵庫などの国産1号を数多く生み出した家電業界の先駆者も、韓国、台湾などの新興勢力に押され、没落した。2008年のリーマンショック後、巨額赤字を計上した同業他社が事業再編で復活した一方、東芝は不正会計で業績悪化を覆い隠し、経営再建のきっかけを失った。(以上、南日本新聞より)
 
ここで、再び思い出すのが、イギリスのジェームス・アレン(James Allen、1864〜1912年 ) の書いた『原因と結果の法則』(サンマーク出版、坂本貢一訳、原書名:AS A MAN THINKETH)に書かれている言葉です('09年頭雑感で一回引用しています)。
 
   この宇宙を
   動かしているのは、
   混乱ではなく
   秩序である。
 
   私たちの人生は、
   ある確かな法則にしたがって創られている。
   私たちがどんな策略をもちいようと、
   その法則を変えることはできない。
 
   『原因と結果の法則』は、
   目に見える物質の世界においても、
   目に見えない心の世界においても、
   つねに絶対であり、
   ゆらぐことがない。                

 
自社の製品が売れないのには、ゆるぎのない売れない原因があり、自社の業績が上がらないのには、ゆるぎのない業績の上がらない原因があり、利益が出ないのには、ゆるぎのない利益の出ない原因があるということです。ノルマを高くすれば利益が出るというものではありません。
 
東芝では、各部門に非常識なレベルのノルマが課されていたといわれます。しかし、いくら発破をかけても、精神論を振りかざしてみても所詮”出来ないものは出来ない”のです。不適切会計に手を染めるに至った背景には、高い『ノルマ』があったからではないかと言われています。
 
所定の結果を出すには、そうなるよう原因を是正せねばなりません。原因を是正するには、まず澄んだ目で客観的に状況を把握しなければなりません。リーマンショック後の業績悪化について、東芝でも状況は把握できていたはずです。せっかく把握された状況を不正会計で覆い隠す。図体が大きく慣性の大きい大企業ほどかじ取りを間違うと方向転換しにくい。ゾッと身の毛のよだつ末恐ろしいことです。
 
16年前に大阪岸和田で購入した単身赴任用の電気洗濯機は東芝製。今でも農作業着を洗う洗濯機として活躍しています。Windows8 になったとき、操作性の良さから買ったパソコンがデスクトップ型もノート型も東芝のDynabook。いくつもの名ドラマを提供してくれたTBS 系TVの東芝日曜劇場。名門東芝の復活に期待したいです。 
 

2016.01.06  
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