雑感  ・'09年頭雑感 〜 原因と結果の法則   
− '09年頭雑感 〜 原因と結果の法則 −
昨年(2008年)の大ショックは、何と言っても秋の終り頃に起きた経済状況の急変でした。百年に一度といわれる経済不況に陥り、政治の一寸先は闇ならぬ、経済の一寸先は闇という混沌とした状況は今後も続くだろうと言われています。
 
あまりにも突然のことだったので、天災にでも見舞われたような気がしますが、果たして予期できなかったことなのでしょうか。イギリスのジェームス・アレン(James Allen、1864〜1912年 )という人の書いた『AS A MAN THINKETH』 という本を思い出します。
 
現代成功哲学の祖として知られるナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、アール・ナイチンゲールなどに強い影響を与え、いまなお、自己啓発のバイブルとして、世界中で読み続けられている本です。日本語版は、坂本貢一訳でサンマーク出版から『原因と結果の法則』という書名で出版されています。
 
   私たちの人生は、
   ある確かな法則にしたがって創られています。
   私たちがどんな策略をもちいようと、
   その法則を変えることはできません。
 
   『原因と結果の法則』は、
   目に見える物質の世界においても、
   目に見えない心の世界においても、
   つねに絶対であり、
   ゆらぐことがないのです。(『原因と結果の法則』より)
 
当面の利益追求に走り、返済されるあてもないまま、信用度の低い人向けに融資され続けたサブプライムローン。ニーズ(需要)薄になった大型車をつくり続けたアメリカのビッグスリー。そして、非正規社員の解雇問題。それらはすべて、確実に結果を導き出す原因を内蔵していたのでした。ジェームス・アレンの言葉を借りれば、
 
   『原因と結果の法則』は、
   経済の世界においても、つねに絶対であり、
   ゆらぐことがないのです。
  
労働者の派遣は以前は、専門性の高い職種に限られていましたが、1999年(平成11年)の原則自由化により、当時 106万人だった派遣労働者の数は、8年後の2007年には3倍以上に増えたといわれますが、非正規雇用という仕組みは本来が雇用調整のやり易い仕組みなわけですから、不景気になると今日のような状況になることは想定されていたわけです。
 
離職された非正規雇用の方々が、まず衣・食・住を確保され、一日でも早く就業できるよう民官一体で努力してもらわなければなりませんが、そうした『結果』への対応と共に、もっと関心を持ち、論議すべきは、『原因』である非正規雇用という雇用形態のあり方ではないでしょうか。
 
確かに、グローバリゼーションや労働の多様化が進んでいるという現実があるわけですが、それでも少子化のなかで折角の貴重な人材、特に若い人材の職業能力開発を正規な雇用の、正規な形の下で行っていかないことには、やがて人材不足と言うしっぺ返しを企業自らが受けることになるであろうという側面も見過ごすことはできません。
 
   気高い理想を掲げ、
   そのビジョンを見つづけることです。
 
とジェームス・アレンは言い、また、つぎのように言っています。
 
   この宇宙を
   動かしているのは、
   混乱ではなく
   秩序です。
 
すなわち、どのような国にするのかの気高い理想を掲げ、ビジョンを見つづけ、それを実現すべき『原因』(政策)を整えていけば、自ら『結果』はついてくるというのです。いま国民が最も欲しているのは、将来を照らす気高い理想であり、ビジョンであり、政策ではないでしょうか。
 

2009.01.07
あなたは累計
人目の訪問者です。
 − Copyright(C) WaShimo AllRightsReserved.−