俳句  ・ワシモ(WaShimo)の気ままに俳句   


(6月)
 
荒梅雨や遊び河童の川流れ
 
がら空きの市電飛乗る梅雨晴れ間 
 
村長のような声出すホトトギス 
 
初恋や青葉しぐれの雨宿り    
 
待つ人はきょうも帰らず遠花火
 
幾千の酢甕を叩く走り梅雨
 
落し文拾うてみても悲し文
 
コイン入れ市電を降りる楠若葉
 
新婚の小さき部屋に青簾
 
入梅や放置しままの白き甕
 
(5月)
 
コイン入れ降りる市電楠若葉
 
うたたねに醒めて車窓は麦の秋
 
くちなしの花ひんやりと白き雨
 
十薬の風に吹かれて雨もよひ
 
乳呑児を寝かす畦道柿若葉
 
村あげてロケ地のごとき菜殻焚
 
(4月)
 
いかなごのくぎ煮ですます夕餉かな
 
こでまりや別館という料理店
 
真黄色の手帳を選ぶ四月かな
 
鯥五郎獲り手も泥の鯥五郎
 
郁子の花寒村なれどわが故郷
 
島立ちの涙かくさず春の風
 
手水舎の人来てうごく花の影
 
ねぎ坊主九九のかけ算いうてみよ
 
花冷えや客を待ちわぶ渡し舟
 
野仏の身の丈かくす花蓮華
 
(3月)
 
老いらくや早瀬を下る花筏
 
五色飴零して涙春灯し
 
犀川の瀬音消すごと春の雨
 
フリル着てワルツ踊ろう紫モクレン
 
夕暮れて馬酔木は帰路の道しるべ
 
おいらくや三椏いろの恋ごころ
 
朧夜の湖畔の櫓音失いぬ
 
沈丁の香を嗅ぎにくる千の風
 
菜の花の花青空をひとり占め
 
花菜風三鉄の窓あけ放つ
 
(歳旦三つ物)
 
初笑ふいつもの妻のえくぼかな
 
言葉を添えて配る年玉
 
硝子戸に小春日和の陽が差して

 
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