俳句  ・ワシモ(WaShimo)の気ままに俳句   


 
学業の果実を土産に夏休み
 
丁寧といふ文字に似て四葩咲く
 
初蝉の声を合図に雨上がる
   
追わぬのに逃げてばかりのみずすまし
 
あぢさゐやきのふもけふもあるがまま
              
残り香や迷い蛍の帰りゆく
              
不揃いの枇杷の実を買う道の駅
              
アラ!見つけ木瓜一輪の藪灯り
                  
雛出して表を競う老舗かな
            
梅の花散らしの雨をうらむ朝
               
よき夢の覚める間もなく初音かな
              
白魚に心踊らせ踊り食い
             
腐葉土の滋養豊かに蕗の薹
             
本坪を鳴らす袂に梅の散る
           
買い置きの靴を眺めて春を待つ
         
連山の黒雨を照らす梅の花
         
素っぴんの露天湯あがり春がくる
         
当てられた分だけ食べる鬼やらひ
        
手心を加えて投げる鬼やらひ
        
二人居の鬼はわが役鬼やらひ
        
セレブにはがぶりつけない恵方巻
         
卒研の秒読みに入る二月かな
         
落人の都を偲ぶ福寿草
         
音たてて咲かむ闇夜の梅の花
         
待ちぼうけ容赦知らずの冬の雨
                    
鬼やらひ六畳の間を逃げ失せず
       
恵方巻笛吹くように食べにけり
 
紅梅の枝間はるかに星の屑
       
しんしんと雪の背丈を耳で聞く
     
冬菜漬さげて飛乗るあさま号
       
雪かきとぶつかりさうな善光寺
     
立喰いの雪が舞込む信濃そば
      
犬猿の仲なる猫と日向ぼこ
   
凍て空の暮れてより星クリスタル
 
サクサクと学童のゆく冬の朝
 
蕪洗ふ泥は流れの水となる
 
(歳旦三つ物)
 
福袋開けて笑顔の茶の間かな
 
袖より出して配る年玉
 
時折りに雪の厨に迷い来て

 
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