俳句 | ・ワシモ(WaShimo)の気ままに俳句 |
選 評 | |
2008年 |
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山茶花や帰郷迎うる島津雨 山神事終らぬままの初しぐれ 茶の花や文一通のあたたかさ 浮寝鳥やっと入り来る離島便 冬薔薇の水切る音や妻のゐし 立冬や脚絆の庭師足早に SLの煙臭去って暮れの秋 大鯉の肥りて津和野秋深し よく見れば色気ありけり秋桜 よちよちに程よき丈の秋桜 来た道は芒の波の中となり 踊り子も稲穂も濡れて島津雨 子帰郷を終ゆる昼餉や百日紅 大仏を覆う緑青や百日紅 あくがれの仄かなるかな薄雪草 特攻の壕より出ればつく法師 大仏の隣家にさがる糸瓜かな 梅干してきっと数年若返り あのひとも還暦となり夕菅や 妻ゐれば無言で拾ふ落し文 冷奴ちょこは薄手の白薩摩 冷奴ほろ酔ふてゐる貴船宿 冷奴無口のときもある二人 君待てど持てど来ぬ間に遠花火 赤松のパッと開けて蝉しぐれ 寄宿舎の窓より見える青田波 日々に是好日や初茄子 初茄子のまろき器に二つ三つ 切なさを隠し切れずや仏桑花 バイト代出たよと君にかき氷 虹が出て追う白球失いぬ 井戸端に実梅談義の弾みをり ガイド役身振り手振りの蛍舟 蛍火にわが肌のまだ白きこと 恋探し蛍火のまた落ちにけり ひとり寝に迷い蛍の寄りて来る 拾いたる数だけ嬉し落し文 あるときは蜜柑の花のうえを吹く 母の日や初めてつくるカレーライス 君が居て薫風のなほ甘きこと 細道に女郎蜘蛛待つ関所かな オーナーの馬主もどきや喧嘩蜘蛛 裁き手の裃着たる蜘蛛喧嘩 散髪の客となりけり目借時(めかりどき) 父の忌や忘れ形見の蓮華草 鋤き込まるいままだ若き蓮華草 鉢買いの菫(すみれ)を置いて席をとる 早朝に馬売られゆく苜蓿(うまごやし) 蓮華草厩(うまや)は馬の売られけり 暮れなずむ紫雲英(げんげ)野に影別れゆく 鯉のぼり峡に吹くかぜ峡に沿ひ 曲水や巫女の紅頬ふくよかに 嫁ぐ娘の無垢の姿や郁子(むべ)の花 身の丈にあふ暮らしかな通草(あけび)咲く 葉桜や時の速さに驚きぬ 洗い髪上げてみなよと花明かり れんげ田に戯れの跡初恋よ 駅の灯よ紫雲英(げんげ)も我も生きている クレパスににほひありけりチューリップ 花筵すわれば花の滲みにけり 雪柳出会い別れの交差点 花菜雨止まり止まりの子らの傘 嬉しくも寂しくもあり花馬酔木 棲ませたき燕なれども壊す家 ままごとやみよちゃん炊いた土筆鍋 OBか桜吹雪かせ良いショット 花冷えや斎場の灯の白々と 特攻の碑抱きつつんで花の雲 老いらくやふらここ揺らし揺らされむ ふらここの座れば低き同期会 木蓮に残光落とし暮れにけり 父の忌やだいこんの花溢れてる 菜の花や見えて隠れてランドセル 初花や子に大きめのランドセル 同郷を気づかす妻の菜飯かな 魅せられて吉野つつじを買いにけり 篤姫や今が盛りの岩つづじ 三椏をでんと据えたる道の駅 廃仏や落ちたばかりの紅椿 雛の間に母娘ふたりの影法師 早春や鈴かけ馬の足高く 湯上りの素顔へ風の沈丁花 紅梅の匂ふと知りし帰郷かな 灯り消す下駄の音かな雛の街 夕暮れて白壁町は雛の家 シクラメン覗き見えたる休診日 霙日や腕組みの人力溜り 恋猫の10時過ぎたる朝帰り 鼻の毛をへし折られけり浮かれ猫 早暁に訃報の届く外は霜 白梅や小雨もよろし峠越ゆ 午後よりはビルの谷間の雪しまき ごろごろと猫安穏の炬燵かな 初雪や子らの入籍せしといふ 沙汰なきが良き便りかな福寿草 泥化粧なれど嬉しき雪達磨 南国の夢一日の雪達磨 雪しまき杣人の唄もうたえず |
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