『壺屋やちむん通り』入口付近 |
観光客で賑わう沖縄の
目抜き通り国際通りから平和通りに入り、アーケード街を通り抜けたところに
『那覇市立壺屋焼博物館』があります。 |
味わいのある佇まいの『南窯』(ふぇーぬかま)) |
壺屋焼博物館からその先が
『壺屋やちもん通り』と呼ばれている通りです。『やちむん』とは
沖縄の方言で焼物のことです。 |
『陶美館』(新垣製陶所)と壺屋陶器事業協同組合ビル |
琉球の焼物は、
600年ほど前から中国や朝鮮、日本、東南アジアの国々の影響を受けながら、
琉球独自のものがつくられていました。 |
路地を入って『新垣製陶所』の昔ながらの佇まい |
今から約330年前の1680年頃、
琉球王朝の尚貞王は那覇周辺に点在していた窯場を、ここ壺屋に
集めて陶業の発展を図りました。 |
路地からの突き当たりの風景。 |
こうして壺屋は琉球随一の窯場として
国内向けはもちろん、輸出にも貢献するほどになりました。大戦で沖縄は全土がダメージを受けましたが、
壺屋は比較的戦災が軽く、戦後徐々に再興が図られていきました。 |
『壺屋やちむん通り』の終点付近、『清正陶器』(手前)と『まじる商店』 |
しかし、1970年代に入ると、
薪を焚く黒煙による公害のため、市街地での登り窯の使用が出来なくなり、登り窯での制作にこだわる
職人たちの多くは、読谷(よみたん)村に窯を移していきました。 |
『東又窯』(現在工事中)へ上る路地 |
読谷村の窯場は
『やちむんの里』として有名になりましたが、『壺屋やちむん通り』にも窯元が残り
330年の歴史が今に引き継がれています。 |
先ず迎えてくれるのが琉球泡ガラスの『虹』工房のガラス吹くシーサー |
那覇の壺屋では、
住宅が密集してきたので、登り窯を焚くのに環境的な無理が生じ、窯の多くが読谷(よみたん)村の
座喜味城(ざきみぐすく)跡近くに移りました。 |
常秀工房の『ギャラリうつわ家』は静かな佇まい |
沖縄陶芸界の重鎮、
故・金城次郎氏(人間国宝)が招致され、四人の陶芸家たちが共同の登り窯『読谷山窯』をつくり、その後、
四人の若手陶工たちが読谷山焼『北窯』として独立しました。 |
『常秀工房』にて |
沖縄の一大窯場となった
この『やちむんの里』には、広大な敷地の中に14軒の窯元が建ち並び、各々に売店、
展示場などが併設されて、観光客で賑わっています。 |
『ギャラリうつわ家』にて、雨上がり。 |
『やちむんの里』の
一番手前にある駐車場に車を停めるて歩くと、まず迎えてくれるのが、琉球泡ガラスの
『虹』工房のガラスを拭くシーサー。 |
人間国宝・故金城次郎さんの長女宮城須美子氏の『宮陶房』 |
そして、
一番目の窯元の『常秀工房』と『ギャラリうつわ家』は、雨上がりの中で
静かな佇まいを見せていました。 |
『読谷山焼』の共同売店 |
さらに進むと
人間国宝・金城次郎(2004年死去)一門(長男・金城敏男氏、次男・金城敏昭氏、
長女・宮城須美子氏)の窯があります。 |
九室連房の共同登り窯『読谷山窯』 |
さらに奥に入って
開けた場所に出ると、読谷山焼(よみたんざんやき)の『共同売店』とその裏手に”九室連房”の
共同登り窯『読谷山窯』が目に入ります。 |
スなだらかなスロープを利用した『読谷山窯』 |
この登り窯は、
1980年に開窯した窯で、大嶺實清氏、山田真萬氏、玉元輝政氏、金城明光氏の
四人の陶芸家が共同で使用しています。 |
『読谷山窯』は”九室連房”の登り窯です。 |
人里離れた緑豊かな
自然の中に佇む沖縄特有の赤瓦屋根の工房。そこから沖縄の風土や文化に
培(つちか)われた焼物が焼きあがります。 |
『読谷山窯』の焚き口 |
『やちむんの里』のもっとも
奥まったところにある大嶺工房(大嶺實清)のギャラリは森の中に
佇む隠れ家的な雰囲気があります。 |
『大嶺工房』(大嶺實清氏)は隠れ家的な雰囲気です。 |
『読谷山窯』に向って
左手の一段下りたところにあるのが『北窯』。1991年に若い陶工たち四人が独立して共同で県内最大の
13連窯を持つ登り窯を開き、『読谷山焼北窯』としました。 |
『大嶺工房』にて |
『北窯』では、窯の創設者である
宮城正享氏、松田共司氏、松田米司氏、與那原正守氏の四名の作者が
制作に取り組んでいます。 |
『読谷山焼北窯』の共同売店 |
『やちむんの里』への
アクセスは、ゆいレール旭橋駅から徒歩3分の那覇バスターミナルで、20番系統あるいは120番系統の
路線バスに乗車して1時間10分後、親志入口で下車、徒歩10分。
|
『読谷山焼北窯』の作業所 |
車の場合、
那覇空港から国道58号線を利用して約50分。あるいは、沖縄道沖縄北ICより国道58号線経由で20分、
喜名交差点より座喜味城跡方面へ5分。 |
『読谷山焼北窯』 |
【DATA】
『読谷やちむんの里』
住所 沖縄県中頭郡読谷村座喜味2653-1
電話番号 098-958-4468(読谷山焼共同売店) 、098-958-6488(読谷山焼北窯売店)
無料駐車場あり |
|
|