九州山脈のほぼ中央部、宮崎県の最北端に位置する西臼杵郡高千穂町。町の中心部を貫通する五ヶ瀬川には、名勝天然記念物高千穂峡があり、その雄大でめずらしい景観は神秘的な雰囲気さえ醸(かも)し出しています。その昔、阿蘇山が火山活動で噴出した溶岩が、五ヶ瀬川によって浸食され峡谷ができました。峡谷の区域は広く、高さ80m〜100mの絶壁が東西におよそ20kmにも及んで創出され、その中心が高千穂峡です。高千穂峡を含む五ヶ瀬川峡谷は、昭和9年に名勝として天然記念物に指定されました。高千穂峡のハイライトである「真名井(まない)の滝」は、「日本の滝100選」にも選ばれています。宮崎県日之影町から国道218号線を西へ10数km進めば、高千穂です。「石垣の村」の棚田を訪問したあと、流れ落ちる滝しぶきと川面をひんやりと這(は)う風に涼を求めて高千穂峡を訪れました。高千穂は、また神話の里としても知られています。高千穂峡の近くにある高千穂神社も訪問しました。境内には、源頼朝が天下泰平を祈願して、代参に手植えさせたという樹齢約800年の秩父杉(目通り1.8m、高さ55m)を始めとして老杉が鬱蒼(うっそう)とそびえていました。この神社で毎晩奉納されるという夜神楽は、さぞかし幻想的なことでしょう。今回は拝観せず帰りました。またの機会の楽しみにとっておきたいと思います。 (旅した日 2003年8月) |
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