2007年3月22日以来休校が続く新留小学校 |
鹿児島県の県道川内加治木線(県道42号)は、薩摩半島の付け根を横断するような形で、錦江湾に臨む姶良市加治木町と東シナ海に臨む薩摩川内市を結んでいます(川内方面から鹿児島空港へ行く経路となるため空港道路とも呼ばれています)。邸宅を三井合名会社が購入して、三井別邸として来客の応接等に使用していましたが |
子供たちが『学校がかわいい』と言っていたように小さな学校です |
この道路は、姶良市蒲生町白男から薩摩川内市藺牟田(いむた)間は険しい山間の峠越えとなります。この山間に休校になって5年半になる小学校があります。姶良市立(旧蒲生町立)新留小学校です。子供たちが『学校がかわいい』と言っていたように小さな小学校です。(地図で場所を確認する ) |
校舎はまだ真新しいですが、雑草の茂りが休校という現実を物語っています |
山間の小さい学校ながら新留小学校は、創立131年の歴史(休校になった時点で)を持つ学校ですが、2007年(平成19年)3月22日、最後の6年生3名が卒業して在籍児童がいなくなったため、それ以来休校になり、現在も休校が続いています。 |
ガラス越しに撮影した卒業記念制作作品 |
休校までの7日間を追った日立マクセルのドキュメンタリーCMが2007年(平成19年)3月31日にテレビ東京系『ずっと宝物』内で放映されました。このCMは大きな反響を呼び、全日本シーエム放送連盟主催のCMフェステバル総務大臣賞・ACCグランプリを受賞しました。 |
ガラス越しに撮影した内部。廊下も壁もピカピカしていて真新しい |
校舎は玄関に向かって左側が教室で、1・2年生、3・4年生、5・6年生の3つの教室。向かって右側が職員室、校長室そして保健室の3つの部屋です。校舎の左側の建物は音楽室と資料室、体育倉庫になっています。音楽室はおそらく講堂と兼用の部屋で、ここで最後の卒業式が行われたのでしょう。 |
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小学校の雰囲気を醸しだしているブランコ |
小学校の風景を象徴するブランコやタイヤ飛びも塗装がしっかりしたままです(写真上)。小学校の付近は周囲を山に囲まれ、わずかに東北の方角に霧島連山を遠望する視界が開けているだけです(写真下)。小学校のすぐ下を通る道路も車の往来の音がありません。物音ひとつ聞こえない残暑のなかで、秋蝉のしぐれだけが賑やかでした。 |
小学校の付近から視界が開けているのは霧島連山を望むこの方角だけ |
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【編集後記】 |
新留小学校は本HPの制作者の住む薩摩郡さつま町の自宅から車で30分とかからないところにあります。まだ残暑厳しい9月中旬の休日の昼下がりに出かけてみました。いきさつは分かりませんが、そう遠くない過去に校舎は建て替えられたか修善されたのでしょう、壁や屋根は真新しく、内部もピカピカのままです。校舎の前の草を刈り、校庭を整地すれば、すぐにでも学校が再開できるような状態にあります。せめて数人で良いから児童が校庭を走り回る光景が再び見られたらどんなに嬉しいことでしょうか。すぐにでも取材に出かけるでしょう。しかし、この小学校区の集落が置かれた現実は、とても若者たちのUターン促進や定住促進の対策を打てるような状況にはありません。2007年3月22日に卒業した3名の娘さんたちが、下のビデオに映っている屈託のない笑顔、やさしさをいつまでも持ち続け、心豊かな人生を送って欲しいと願うばかりです。 |
マクセルDVD ずっとずっと。新留小学校 篇 - YouTube |
(放映時間7:58) |
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休校になる鹿児島県の新留小学校の最後の7日間を追ったドキュメント。TX系列で2007年3月31日に放送された『ずっと、宝物』と言う番組内でオンエアされたマクセルのCM。2007年ACCCMフェスティバルのグランプリを受賞。 |
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