鹿児島県薩摩半島の約38km西方の東シナ海に浮かぶ甑島(こしきじま)列島は、薩摩川内(せんだい)市に属し、上甑島・中甑島・下甑島の主なる3島と、付属するいくつかの島からなります。『かずらたて』の祭りは、五穀豊穣を祈る上甑島・里地区の伝統行事です。もともとは十五夜の行事でしたが、人口が少なくなった近年は、お盆で帰省する人の多い8月13日に毎年開かれています。山から採ってきた『くずかずら(葛蔓)』をつなぎ合わせて直径約15cm、長さ80mの大綱をつくり、それを大蛇にみたてて地域内を練り歩きます。先頭を行くのは、思い思いに変装したり、お化粧した子供や若者の踊り連。大漁旗やノボリをなびかせながら、鉦(しょう)や一斗缶、法螺(ほら)貝の音に合わせて踊り進むと、若衆を中心に地元民が大綱を頭上に持ち上げながらその後を練り歩きます。港公園に着くと、かずらの大綱をとぐろ巻きに巻きあげ、五穀豊穣を祈る祭りは最終章へ。 |