♪火鉢
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旅行記 ・久見崎次郎次郎踊り − 鹿児島県薩摩川内市 2012.03.04
 
久見崎次郎次郎踊り
(諏訪神社)
川内(せんだい)川の河口に位置する
久見崎(ぐみざき)の毎年3月に開催される『次郎次郎踊り』は、諏訪神社の春の祭典の後に
行われる『田打ち行事』、いわゆる予祝祭です。
南九州に広く分布する
ほかの予祝祭と同様、五穀豊穣を祈願して、昔の田起こしの風景を
面白くおかしく表現する田園寸劇です。
登場するのは、
テチョ(おやっどん=父)と次郎(息子)とカカァ(かあちゃん=母)、それに男二名が
扮するコッテ牛(農耕用のオス牛)です。
先ず、テチョ(父)が
『薩摩兵児謡』(さつまへこうた)を歌いながら登場。田神(たのかん)さぁに、昨年の豊作を感謝し、
今年の豊作をお願いします。
そして、
竹の皮に包んできた『おにぎり』と、自家製の『お茶』をお供えします。
おにぎりにはちゃんと沢庵が添えられています。
願い事はもう一つ。
仕事は半人前、呑み方は人一倍の息子、次郎に嫁ができますように!と
田神さぁに祈願するテチョ(父)であります。
ヨイショ、ヨイショと、
地球の裏側のブラジルの人を驚かそうとばかりに、
テチョは田打ちを始めます。

テチョ(父)が退場して、
今度は、息子の次郎の登場です。『おやっどん(父)は、どけおいけ〜(どこにいるか)』と
言いながら登場します。

田神さぁに美味しそうな
『おにぎり』と『お茶』がお供えしてあるのに気づいた次郎はそれを失敬して、
『うあんまか(美味しい)〜』と言いながら食べます。

そこへテチョ(父)が再登場。
『わゃ、ここん飯ょ食たね!』(お前はここの飯を食ったな!)とテチョ。『うんにゃ、おや食ちょらんど!』
『証拠が残っちょったけ、しもたー』と次郎。
気を取り直して、
田打ちに専念するテチョ(父)と次郎でした。田んぼは、牛に馬鍬(まぐわ)を引かせて
代掻できる状態になりました。
そこへ、
『よくやんせ!』(休憩しなさいよ!)と言ってカカァ(母)が現れます。
カゴには、焼酎も入っています。
休憩しながらの話題は、やはり
次郎の嫁取りのこと。『仕事は半人前、呑み方は人一倍の次郎、早く嫁を貰え!』と
意見するテチョ(父)。
ところが、
次郎は、『テチョ!、実は子どもが出来た!』と言って、
赤ちゃんを連れてきて驚かせます。
これで、わし爺(じじい)か
と言いながら、孫を抱いて喜ぶテチョ(父)。抱いているのは
本物の赤ちゃんです。
さあ、代掻きを始めようと、
次郎は牛を連れに行きますが、牛がいません。やっとのことで、
牛を見つけ、代掻きが始まりました。
今度は、次郎がハナトイ(鼻取り)、
テチョ(父)が馬鍬(まぐわ)持ちの役になって、
代掻きが何とか進みます。
ところが、牛は暴れ牛!
コッテ牛は、ハナトイ(鼻取り)と馬鍬を振り切って、
田んぼを暴れ回ります。
顔も立派なコッテ牛。
観客に近寄って愛想を振りまきます。屈託のない子どもたちの
笑顔が印象的でした。
テントに陣取った
観客のところにやっと来て話しをするコッテ牛。笑いと笑顔に包まれた
久見崎次郎次郎踊りの一日です。
ご苦労様でした!
代掻きも済んで、これで今年の次郎次郎踊りも終わりです。このあと五穀豊穣の
餅まきが行われて、お開きとなりました。
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