♪春よ来い
童謡・唱歌の世界

       
      
旅行記 ・水引次郎次郎踊り(射勝神社)− 鹿児島県薩摩川内市 2012.03.04
 
水引次郎次郎踊り
(射勝神社)
薩摩川内市の水引町にある『射勝(いすぐる)神社』 
南九州には、
その年の五穀豊穣を祈願する農耕の春祭りである、いわゆる予祝の田遊び神事が
広く分布しています。
 
先ず、地元の子供たちが登場します。
いずれの祭りも、神社の境内や広場を田んぼに見立て、
作り物の牛を使ったり、あるいは人間が牛に扮して、田打ちから代掻き、種まきあるいは田植えまでの
ストーリーをユーモラスに演じる、という共通点があります。
葉っぱのついた木の枝で害虫を追い払うしぐさをして回ります。
鹿児島県薩摩川内(せんだい)市
水引町の射勝(いすぐる)神社で行われる『次郎次郎踊り』は
一風変わった雰囲気の予祝祭です。
一番テチョ(父親)が登場します。
この『次郎次郎踊り』は
『スグロドン祭り』とも呼ばれます。『スグロドン』とは、射勝神社のことです。
(鹿児島弁では、殿という敬称をドンといいます)
鍬(くわ)と先端に火のついた丸太を担いでいます。  
射勝神社は、
三反(30アール)余りの祭り用の田んぼを所有し、草道(地名)の5つの集落が
当番制で祭りを行ってきました。
鍬で田打ちのしぐさをします。
当番の集落は、
総出で祭りの準備、祭りの執行および祭りの後始末と、3日間は仕事を
休んでこれに当たりました。
昔ながらのキセルでタバコを一服。
直会(なおらい)も
焼酎がたくさん準備されたといわれます(直会とは、神事の最後に、参加者一同で神酒を
戴き神饌を食する行事のことです)。
顔を白布で隠して独特の雰囲気があります。  
現在では、
次郎次郎踊り保存会が組織され、各公民会長が運営委員になって、企画・運営に当たり、
3月初旬の日曜日に実施しています。
見物人を害虫に見立てて、『トッゴロ』を近づけます。 
この次郎次郎踊りでは、
テチョ(父親)が、一番テチョと二番テチョの二人、二名の男が扮する牛、牛の鼻を取るハナドイ、
モガ(馬鍬=まぐわ)を押すモガオシ、そしてヨメジョ(嫁女)が登場します。
見物人がやけどしないか心配になります。  

まず、葉っぱのついた木の枝を
持った子供たちが登場し、境内を田んぼに見立て、害虫を追い出すしぐさを
しながらを歩き回ります。

見物席に分け入って飛びまわります
子供たちが退場すると、
一番テチョ(父親)が、『トッゴロ』という火のついた木の丸太と、鍬(くわ)に見立てた
木の枝を肩に担いで現れます。
見物人は怖がりもせず、大はしゃぎです。 
射勝神社の予祝祭は、
登場人物が白布を巻いて顔を隠していることと、無言で即興劇が
繰り広げられることが特徴です。
大きな丸太を持ちながら、体力のいる即興劇に違いありません。
顔を隠しているのは、
神様に扮しているからです。男たちの姿は、顔に包帯を巻いたミイラを連想させる、
独特の雰囲気があります。
やがて、コッテ牛(農耕用のオス牛)の登場です。 
顔に白布を巻いた男たちが、
手に『トッゴロ』という火のついた木の丸太を持ち、見物人を
害虫に見立てます。
角も立派な大きなコッテ牛です。
牛男たちは、
見物席に分け入って見物人の鼻先に『トッゴロ』を近づけたり、
見物人を追い回したりします。
前を行くのはハナドイ(鼻取り)と後がモガオシ(馬鍬押し)
とても荒っぽいので、
見物人がやけどをしないか、逃げまどってけがをしないか、火事にならないだろうか心配されますが、
かつて一度も事故は起きていないそうです。
下手をすると、踏まれて牛の下敷きです。
やがて、牛が登場して
代掻きがはじまります、牛は、立派な角を持つ、これがまた大きなコッテ牛(オス牛)です。
暴れ牛を何とか御しながら代掻きが進みます。
暴れ牛を何とか御しながら代掻きが進みます。
代掻きが終ると、
身ごもったヨメジョ(嫁女)が登場し、立派な赤ちゃんを産みます。それをテチョが取り上げます。
予祝祭は、豊作祈願とともに、安産祈願の祭りなのです。
ヨメジョ(嫁女)が登場して赤ちゃんを出産します。
出産が無事終って
最後は、ヨメジィの頭に乗せたザルに入っている籾(もみ)と落花生を見物人にまいて、
祭りはお開きになります。
籾(もみ)と落花生がまかれて、祭りはお開きです。 
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