♪ロマンス(スペイン民謡)
Piano1001
旅行記 ・保戸島 − 大分県津久見市 2010.05.16
保戸島
地中海の漁港を連想させる保戸島集落の風景
建物は3、4階のコンクリート造りばかり
保戸島(ほとじま)
保戸島(ほとじま)は、大分県津久見市の四浦半島先端のすぐ沖の豊後水道に浮かぶ周囲が4kmほどの小さな島で、マグロの遠洋漁業の基地として全国的に知られています。人口約1,400人が住むこの島は平地がほとんどないため、海岸に迫る急な斜面に3、4階建てのコンクリート造りの建物がひしめくように建ち並んでいて、地中海の漁港を連想させる独特の風景をつくっています。
初夏、空と海は柔らかいブルーの色
船溜りに沿った道路とひしめきあう建物
階段を上がっていくと『小料理・大川』とあります
柳田は、島にしては人口が多く、お互い寝る場を島全体で融通し合うように暮らしている保戸島の様子を、『つまり、島一つが大家族のようなものだ』と『海南小記』(1925年)に記しているそうです。
その保戸島の漁村・漁民の歴史、文化、景観は『未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選』に選定されています。民俗学者の柳田國男は、46歳の1921年(大正10年)沖縄を目指す旅で、保戸島に2日間滞在しています。
テボ(背負い籠)は必需品(写真上下)
犬も階段を上り下りしなければなりません
狭い路地に店が
火事が発生したら大変だろうなと思ってみます。だから燃え難いコンクリート造りになっているのかも知れません。あるいは土地利用率の良い3、4階建てにするには、やはりコンクリート造りなのでしょうか。
ひしめきあうコンクリート造りの建物の間につくられた狭い階段がアクセスの手段ですが、私用の階段なのか公道なのかわかりません。まるで、巨大な迷路パズルに入り込んだ感じがします。なるほど、これだったら譲り合って暮らさざるを得ないなと実感させられます。
墓もひしめくように建てられています
小さな白い漁船がたくさん浮かぶ船溜り
自転車も必需品
そして、島の人たちが『テボ』と呼ぶ竹を編んだ背負い籠は、保戸島の地形に合った道具。かなりの量が入り、背負うので重いものでもOK。階段の上り下りに欠かせない必需品です。
保戸島ではほとんど車を見かけません。交通の手段は自転車で、荷物の運搬はもっぱらリアカー。りっぱなリアカーが立て掛けられている風景を集落のあちこちで見かけます(写真下)。
おそるべきリアカーの数
戦歿学徒慰霊碑(保戸島小学校)。ペットボトルに千羽鶴が入れて吊るしてあります
高齢化が進む中で子供たちは島の財産です
現在、保戸島小学校の校門横に、爆死した教師と児童の名前が刻まれた慰霊碑が建てられており、罪なき犠牲者の御霊を弔うべく毎年慰霊祭が執り行われています。小学校の児童が折った千羽鶴でしょう、ペットボトルに入れて吊るしてありました。
保戸島空襲
第二次世界大戦終戦まぎわの昭和20年(1945年)7月25日朝、米軍グラマン戦闘機が投下した爆弾が、保戸島国民学校(現・津久見市立保戸島小学校)を直撃し、児童125名、教師2名が即死、75名の児童に重軽傷を負わせました
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父と娘と
11時45分、保戸島港に入港した高速船『マリンスター』
保戸島へのアクセスは、津久見港から高速船(約14km、所要時間約25分、一日7便)を使います
保戸島港を12時50分に出港した高速船『マリンスター』から見る保戸島
【参考資料】
(1)津久見市観光協会発行の観光パンフレット『保戸島歩記』
(2)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の保戸島の項
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