♪羽島船唄
羽島船唄保存会

       
      
旅行記 ・太郎太郎祭り(羽島崎神社)− 鹿児島県いちき串木野市 2012.02.26
 
太郎太郎祭り
(羽島崎神社)
いちき串木野市の北端、羽島地区にある『羽島崎狭野神社』
鹿児島県いちき串木野市にある
羽島崎神社で、毎年旧暦2月4日(現在はそれに近い日曜日)に行われる『太郎太郎祭り』は、
漁撈・農耕の二つの予祝儀礼からなる、ちょっぴり欲張りな祭りです。
まず、神事が執り行われます。 
『船持ち(フナモチ)行事』で
豊漁・航海安全を祈り、『田打ち行事』で豊作を祈ります。先ず、
本殿・拝殿で神事が執り行われます。
船持ち行事
拝殿から木製の船(模型)を持ち出して、フナモチが始まります。
本殿・拝殿で神事が終わると、
祭りはまず、豊漁・航海安全を祈る予祝の『船持ち行事』から
スタートします。
父兄の力をかりながら、船を持ちます。 
数えで五才になる氏子の男の子供たちが、
父兄の力をかりながら、長さ約30cmの木製の船(模型)を持って拝殿から出てきて、
大海原に見立てた境内を航海します。
一番船は米船で、飾りがありません。  
一番船は米船(こめぶね)で、
飾りは無く、中に米を入っていて、フナモチが終わると子供たちにそれを分け与えます。二番船以降は、
帆掛け船や機帆船・動力船などを模した船になっています。
二十名前後の羽島船唄社中(羽島船唄保存会)。 
行事に参加する五才の男の子供たちは、
いすれも豆しぼりの手ぬぐいを頬被(ほおかむ)りし、青色の襷(たすき)を肩に掛けるなど、
伝統的な扮装(ふんそう)をしています。
羽島船歌社中が船歌を披露します。  
船を持つ子供たちの後には、
二十人前後の羽島船唄社中(羽島船唄保存会)が両手に竹を持ち、船唄を歌いながら続きます。

〔BGM(↑)をONにすると船唄が聴けます〕
 
田打ち行事
テチョと呼ばれる父親役(左)と太郎とよばれる子供役(右)が登場です。 

『船持ち行事』が
終わると、祭りは豊作を祈願する『田打ち行事』に
移ります。

太郎が田打ちを始めました。  

『田打ち行事』は、
その年の五穀豊穣を祈願する農耕の春祭り、いわゆる予祝の田遊び神事で、
広く南九州に分布しています。

木の枝を鍬(くわ)に見立てて、田打ちを演じます。
いずれの祭りも、神社の境内や広場を田んぼに見立て、
作り物の牛を使ったり、あるいは人間が牛に扮して、田打ちから代掻き、種まきあるいは田植えまでの
ストーリーをユーモラスに演じる、という共通点があります。
五歳児は、蓑笠を背負って田植えを待ちます。 
羽島崎神社の『田打ち行事』は、
テチョとよばれる親父役と、太郎とよばれる子供役、そして牛に扮する役の
三役で繰り広げられる即興劇です。
おーい、太郎、そろそろ代掻きを始めようか〜。
まず、太郎が、
鍬(くわ)に模した木の枝を持ち、境内を田んぼに見立て
田起こしを始めます。
牛は、ハナトイザオ(鼻取り竿)を振り解いて逃げたようです。 
田打ちがすんだところで、
代掻(しろか)きを始めようと思って牛のところに行ってみると、ハナトイザオ(鼻取り竿)を
振り解いて逃げたようで、牛がいません。
うろついている牛を見つけました。
あちこち、
牛を探しにいくテチョと太郎。やっと、境内の裏でウロウロしている
牛を見つけ、連れ帰ります。
やっと牛を捕まえた太郎。 
牛役は、赤白黒の大きな鼻綱の
ついた面を被り、体を黒い布で覆っています。股間には、一升入りの米俵で作った大きな
“ふぐり”と人参をぶら下げています。
もがく暴れ牛を引いて、田んぼに向かいます。
牛は暴れ牛、
牛をハナトイザオ(鼻取り竿)で必死に引張りながら、
田んぼに向かいます。
観客は、いっせいにカメラを向けます。 
田んぼへ向かう太郎と牛が、
観客の前を通ると、カメラやビデオがいっせいに
向けられます。
仕事をしたくない牛は、田んぼに転がり込みました。

やっと田んぼまで
連れてきた牛ですが、仕事をしようとせず、
転がり込んでしまいます。
何とか起こして、馬鍬をつけようとする太郎とテチョ。 
暴れ牛を
なんとかなだめ起こそうとする太郎と馬鍬(まぐわ)を
付けようとするテチョ。
やる気になれば、実力を発揮する牛であります。
やっとやる気が出てきました!
やる気になれば実力を発揮する牛であります。太郎がハナトイザオを引き、テチョが馬鍬を持ち、
代掻(しろか)きが進みます。
代掻きは順調に進みます。 
牛の面は、
37.5cm×横20cmの木製面で、裏に江戸時代中期・『安永十年』(1781年)の
文字が彫られている歴史のあるものです。
無事に、代掻きが終わりました。お疲れさまでした。 
代掻(しろか)きが
無事すんで、太郎とテチョと牛は引き上げます。
お疲れ様でした!。
五才の子供たちが、松の葉を稲苗に見立て、田植えを行います。 
代掻きすんだ田んぼに、
五才の子供たちが田植えが行われます。子供たちは、蓑笠(みのかさ)をまとっています。
すくすくと育つ子供たちに違いありません。
 〔編集後記〕

この羽島崎神社の太郎太郎祭りの黒牛の面には、江戸時代中期の安永十年(1781年)の銘が彫られているということですから、祭りの歴史の深さに驚くばかりです。ここ、いちき串木野市の羽島は、慶応元年(1865年)4月に、薩摩藩英国留学生が密かに英国に旅立ったところですし、江戸時代にロシアに漂流し、世界で初めて露日事典を編纂したゴンザの出身地ということです。羽島崎神社内には、ゴンザ神社が建立されています。ゴンザについては、別途旅行記を書きたいと思っています。
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