♪火鉢
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旅行記 ・ガウンガウン祭り− 鹿児島県いちき串木野市 2012.02.19
 
ガウンガウン祭り
(深田神社)
南九州には、その年の
五穀豊穣を祈願する農耕の春祭りである、いわゆる予祝の田遊び神事が
広く分布しています。
いずれの祭りも、神社の境内や広場を田んぼに見立て、
作り物の牛を使ったり、あるいは人間が牛に扮して、田打ちから代掻き、種まきあるいは田植えまでの
ストーリーをユーモラスに演じる、という共通点があります。
鹿児島県薩摩半島、吹上浜の北端に位置する
いちき串木野市の、東シナ海を望む串木野新港の高台に、彦火火出見命と菅原道真公を
御祭神とする深田神社があります。
その神社で、毎年旧暦2月2日
(近年ではこれに近い日曜日)に行われる予祝祭は『ガウンガウン祭り』と呼ばれ、
県指定無形文化財に指定されています。
”ガウン(ぐわおん)”とは、『願』あるいは『くわ』がなまったことに由来するそうです。
境内を田んぼに見立て、
田打ちから代掻き、田植えまでのストーリーを、滑稽に演じる
野外田園劇です。
テチョと弥ばれるオヤジと
その息子の太郎、次郎、牛に扮した男の4人が登場人物ですが、途中、
カカア(女房)に扮した男も登場して笑いを誘います。
それぞれが決った持ち場を
担当しますが、一定したせりふはなく、物語は即興で
繰り広げられていきます。
この祭りは、子どもたちが
主役でもあります。鍬(くわ)に見立てた、その先に枝の引っかかりがある木の棒を持ち、
役者にいたずらをして倒そうとします。
役者を倒した回数が
多いほど、豊作になるとされており、子供たちは元気に
かけまわります。
テチョの田打ちがすむと、
子供たちも一緒になって休憩です。カカア(テチョの女房)が、お茶やおやつを
天秤棒で担いで登場します。
いよいよ太郎、次郎とコッテ牛(雄牛)が
登場して、代掻きですが、牛小屋に牛がいません。あちこち、探し回る太郎と次郎・・・・・。
喧嘩が始まりかねない雰囲気に!
牛が牛小屋に戻っているという
スタッフの知らせで、牛小屋に戻って牛を引き出す太郎と次郎。
牛は嫌がって出ようとしません。 
牛小屋からやっと
引っ張り出したコッテ牛(雄牛)は、暴れ牛! 言うことを聞かず、
太郎と次郎は、てこずるばかり。
挙句の果ては、
お手上げだと、ばんざいーをする次郎。その隙に、しめたしめたと
逃げ出すコッテ牛!
暴れ牛は、
観客の前を走り回ります。境内を抜け出して、裏山へ
逃げようともします。
やがて、疲れ果てた
コッテ牛(雄牛)は、スタッフになだめられ、
やっと静かになります。
やる気になれば、
仕事でも実力を発揮するコッテ牛。なだめ、なだめ、
なんとか代掻きが進みます。
代掻きが無事
終ろうとする頃、今度は子供たちが登場してきて、役者に
邪魔をしようとします。
あれこれありましたが、
代掻きも無事終わり、太郎と次郎は、コッテ牛を連れて、牛小屋に戻ります。
ご苦労さんでした!
最後は、松葉を稲の苗に見立てて、
出演した役者が田植えを行います。このあと、祝餅が巻かれて、約1時間半の祭りは、
お開きとなりました。これで、今年の五穀豊穣間違いなし! 
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