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旅行記 ・頴娃の大根干し − 鹿児島県南九州市  2009.12.23
頴娃(えい)の大根干し
真新しい、吊るされたばかりの大根。まるで大根の滝を思わせます。
あるいは、簾(すだれ)の様です。
   
6〜8段に組まれた、合掌造りの家を連想させる大根やぐらは、高さ5〜6mにも及びます。このやぐらで1週間から10日間吊るされて寒風にさらされると、大根は余分な水分が抜けて身が締まり甘みが増します。
   
南国に冬の訪れを告げる風物詩 ”寒干し大根やぐら”が今年も、開聞岳を眺望する薩摩半島南端の町、南九州市頴娃(えい)町に出現しました。9〜10月に種まきされた大根がこの時期に収穫され、綺麗に水洗いされた後やぐらに吊るされます。
      
大根やぐらは、合掌造りの家を連想させます。
頴娃の名物は広々としたお茶畑に開聞岳の景色。そして、この時期には大根やぐらが加わります。
干されて飴色になった大根。後ろは開聞岳。
  
大根の寒干しは太陽光によるより風によって乾燥させます。頴娃地方は海岸沿いのため大根を乾燥させるのにちょうどいい季節風が吹き、品質のよい干大根がつくられます。葉っぱを付けたまま干すのは、葉っぱから水分を蒸発させるためだそうです。
 
できあがった寒干し大根は、主に漬け物用として全国に出荷されていきます。頴娃の名物といえば、高温多湿な気候風土を生かしたお茶の栽培と開聞岳の風景。天気の好い日には、大根やぐらと開聞岳が素晴らしい絶妙な風景をつくります。
    
風通しが良いふうに吊るされた大根のトンネル。
この時期、茶の葉も暮色いろ。真っ白な大根がその色を写すかのように枯れていきます。
水洗いされた大根は順番を待ちます。
   
二本の大根を結んだのを竿の先に引っ掛けて押し上げる役がおじいさんで、それを受け取ってやぐらにかける役がおばあさんです(おじいさん、おばあさんといってもまだまだ若いお二人でした)。
 
あちこちを撮って回っていると、ちょうど子供たちやおじいさん、おばあさん家族総出で大根吊るしの作業をやっている嶽(たけ)さんのやぐらに遭遇したので、取材させてもらいました。
大根吊るしは、絶妙の共同作業。
竿を使って大根を渡すのも、受け取って吊るすのも大変な作業です。
子供たちも、出来ることを手伝います。
 
やぐらの下では、お母さんたちが綺麗に水洗いされた大根を二本結びつける仕事をやっていました。休日には、子供たちも畑にでて、出来ることを手伝います。
  
どちらの役目も力のいる大変な仕事です。大根が綺麗に吊るされた壮大な大根やぐらの風景は、皆さんの苦労の賜物です。7〜8段の最上段へはどうやって大根を上げるのでしょうか。
やぐら造りも大変な仕事でしょう。
集落の家々にも干し大根の甘い香りが届きそうな風景です。
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