「炉ばたセイ談」の生い立ち
「炉ばたセイ談」は、「炉ばたセイ談会」(入来武家屋敷茅葺門邸)が一年に一回発刊する機関誌です。「炉ばたセイ談会」は作家・歴史家であった故入来院貞子氏(1933〜2011年)が所属する鹿児島ペンシルクラブで平成十三年に提唱、同クラブ代表の相星雅子氏(1937〜2019年)ほか数名の会員がこれに賛同、他に新聞・テレビ関係者、高校・大学の教職員ほか地元の元町長などが加わっていただき、入来武家屋敷の囲炉裏辺で「セイ談」を語り合う会としてスタートしました。
「セイ談」のセイは聖、清、正から醒、政、性まで、つまり話題は問わずお互いの蒙を啓こうという程度の、堅苦しくない会という意味です。会は当初武家屋敷の一軒をお借りしてスタートしましたが、行政側の制度変更により借家制度が廃止された後、本拠を茅葺門邸、即ち入来院重朝、貞子ご夫妻宅に移して、今日に至っております。
本誌の内容は創刊号編集後記にありますように、硬軟、左右なんでもありですが、執筆者には一家言を持つ会員も多いだけに、入来武家屋敷群の一角から発信されるこの小冊子が、いささかなりとも文化的な刺戟となり得ればと念じております。「炉ばたセイ談」生みの親といってもいい故入来院貞子氏の願いも、祖霊の瞑るこの入来の地でささやかながら、一隅を照らす灯を点したかったのではないでしょうか。(炉ばたセイ談第9号(平成25年秋号)より抜粋、転載)
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