レポート  ・大久保神社の水祭り   
− 大久保神社の水祭り −
早いもので、本年度も上半期が9月を残すばかりとなりました。9月1日といえば、毎年、越中八尾の『風の盆』が9月3日までの日程で始まるのを思い出します。ところで、福島県郡山市安積町牛庭に、全国でただ一社、大久保利通公を祀る『大久保神社』があって、毎年9月1日に地元の人たちによって『大久保様の水祭り』という祭りが開催されているのをご存知でしょうか。
  
年間雨量が少ない上、水利の悪い丘陵地帯だった郡山盆地は、かつては荒涼とした原野でしたが、明治15年に 130キロに及ぶ水路をつくって猪苗代湖(いなわしろこ)の水を引き込む安積疏水(あさかそすい)が完成すると一大穀倉地帯になりました。
  
この疎水事業が現在の郡山市の基礎になったといわれ、郡山市は平成の大合併により市域を広げた新潟市が誕生する前は米穀生産量日本一の市だったそうです。当時の国家予算の3分の1を注ぎ込んでこの疎水事業を推進したのが大久保利通公でした。
  
大久保神社は、牛庭の地に入植した愛媛県の旧松山藩開拓者や牛庭原地域の人々によって 明治22 年に創建されましたが、現在は鳥居や社殿はなく、記念碑のみになっています。
  
大久保神社は今年が創建 130周年の年で、今年の『水祭り』には鹿児島市の有志でつくる『西南之役恩讐を越えての会』の高岡修副会長、宮下亮善事務長らが参列し、寄贈した灯籠の除幕式をしたそうです。
   
現在の大久保神社(福島県郡山市安積町牛庭)
安積疏水(あさかそすい)幹線水路
福島県郡山盆地
いずれの写真も、Wikipediaより借用

2019.09.04
あなたは累計
人目の訪問者です。
 − Copyright(C) WaShimo AllRightsReserved.−