レポート  ・二ホンミツバチの待ち箱   
 
− 二ホンミツバチの待ち箱 −
ミツバチにはセイヨウミツバチと二ホンミツバチがいます。セイヨウミツバチはハチミツ(蜂蜜)を採る目的で、ハチミツがたくさん採取できて、かつ攻撃性が低く飼育しやすいように、人の手によって家畜として改良されてきたハチ(蜂)です。
 
セイヨウミツバチは、アフリカやヨーロッパを起源とするミツバチで世界中で飼われていますが、家畜ですから野生化しておらず、人間の管理下になければ生きていけません。つまり、セイヨウミツバチの飼育には高い技術が必要となります。
 
一方、ニホンミツバチは、日本に古来から住んでいる、日本固有の野生のミツバチで、北海道と沖縄を除く、本州から四国、九州に生息しています。日本の自然を生き抜力と術(すべ)を持った非常にタフなハチなわけです。
 
ニホンミツバチは、セイヨウミツバチにくらべると蜜を集める能力は低いですが、野生ですから、高い知識や技術を必要とせず、ほとんど放任のような形で養蜂できるため、趣味で飼育する人が増え、静かなブームになっています。
 
そこで、友人の勧めもあって、二ホンミツバチの待ち箱をつくって設置しました。ニホンミツバチの捕獲では、空の巣箱を設置しておき、ニホンミツバチがそれに入るのを待つのです。 この空の巣箱を待ち箱と呼びます。
 
春になって新しい女王蜂が生まれると、その母親の女王蜂は、働き蜂の約半数を連れて巣を飛び出し、新たな場所に巣を作ります。これを分蜂といいます。すなわち、家を出て行った母親の分蜂群れに、入居してもうらおうというのが待ち箱です。
 
ニホンミツバチを誘引するために、待ち箱の内面には蜜蝋(ミツバチの巣から得られたものを溶かして固めてブロック状にしたもの)を塗り、キンリョウヘン(金稜辺)という中国原産のラン(蘭)を置きます。
 
キンリョウヘンはシンビジュームの一種で、花が発するフェロモンがニホンミツバチを誘引することが知られており、分蜂群れの捕獲に広く使われていますが、高価なので、今回は一鉢しか買いませんでした。
 
ニホンミツバチは養蜂が簡単だといいますが、待ち箱に入居してもらうのは簡単ではなさそうです。1個の待ち箱に分蜂群れが入ってくれる確率は2割ということですが、捕獲に成功するには5個の待ち箱を設置する必要があることになります。

下記ページの写真にあるように、今回2個設置したので、捕獲に成功する確率は4割ということになります。入居してくれるのを、あまり期待せすに待つことにします。
 
待ち箱(No1)、右に『キンリョウヘン』(網をかぶせてある)
待ち箱(No2)
いずれも、2023年03月29日に鹿児島県さつま町の自宅で撮影。

  2023.03.29
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