レポート | ・関係人口 |
− 関係人口 −
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親の代からその地域に住んでいる人だけでなく、移住によってその地域に新たに住むようになった人も含めて、その地域に住む人々のことを文字通り『定住人口』といいます。 人口減少に悩む地方自治体は、転入者に対する、住宅の新築や購入のための資金援助、賃貸住宅家賃の助成、出産祝い金の支給、保育・入園料の補助、就業支援など、定住人口を増やすための促進事業をいろいろと行っていますが、思い通りに行っていない実状にあります。 定住人口に対して使われているのが『交流人口』です。交流人口とは、観光、スポーツ、レジャーなど、何らかの目的をもって一時的にその地域を訪れる人のことです。この交流人口はその地域にほとんど関わりが無い人たちです。 また、一時的な訪問であるため、地域や地域の人々との交流が生まれにくく、交流人口は、地域の活性化や課題解決、地方創生の担い手になる人材としては期待できないわけです。 そこで、2016年頃から『関係人口』というの概念が語られるようになりました。関係人口とは、その地域が好きで頻繁に行き来する人、そこにかつて住んだことがある、あるいはそこで働いたことがある、そこにルーツがあるなど、その地域に強い思い入れを持っている人のことです。 これらの人たちは地域外に住んでいても、地域と頻繁に行き来することによって、地域の活性化や課題解決など地方創生の担い手になる人材として期待できるのではないかというわけです。 また、地域外の人がいることそのものが地域に刺激を与え、地域が変容していく可能性や、多様な関係人口が存在していることで偶発的なイノベーション(地域社会に大きな変化をもたらす革新や新機軸のこと)の起きる可能性が期待されます。 地域や地域の人々との関わりや関係が深くなって交流が増えれば、移住への心理的ハードルは低くなり、将来的には移住・定住を考える人が関係人口のなかから出てくる可能性が期待されます。 政府は『まち・ひと・しごと創生基本方針2019』において、関係人口の創出・拡大を主要な取り組みとして位置付けました。総務省は、『地域への新しい入口 関係人口ポータルサイト』を開設しています。 → https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/ |
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