旅行記  ・門司港駅のレトロなあれこれ   

 門司港駅は、昭和33年(1958年)に関門トンネルが開通するまで、本州連絡船が出航する駅として大いに賑わった駅です。九州最古の駅として、大正3年(1914年)に建てられました。駅舎は、木造2階建てのネオ・ルネッサンス風の建物で、現在なお現役の駅舎です。駅としては全国で唯一国の重要無形文化財に指定されています。
 したがって、門司港駅には、この駅でしか見られないレトロなあれこれがたくさんあって、旅行記「門司港レトロの風景」に記載しきれなかったいくつかの写真を本ページに記載しました。(旅した日 2002年10月)


安全の鐘
 大正3年、門司港駅開業以来列車の正常運転と作業の安全を願って鳴り続けたもので、現在は静かにその精神を生かして皆の安全を見守っています。
自転車タクシー(三輪車)  
 明治時代のハイカラ乗り物だった人力車が進化した三輪車で、自転車のタクシーです。駅構内に2台展示してあり、レトロな雰囲気を醸(かも)し出しています。
0哩碑
 
門司港駅は、鹿児島本線の始発駅です。その起点を示す記念碑で、改札口近くのホームに建てられています。昭和47年に鉄道開通100周年を記念して現在地に建てられたのだそうです。
幸運の手水鉢(ちょうずばち)
 トイレ入口の男女仕切り部分に設置されている
青銅製の手洗い器です。大正3年の建設当時からあるもので、戦時中の貴金属供出からもまぬがれ、現在も鋳造時の形のまま長寿を誇っています。そのため、「幸運の手水鉢」と呼ばれています

門司港駅旧貴賓室
 門司港駅は、大正3年に建造されたネオ・ルネッサンス様式の木造二階建てです。二階には大ホール、小ホールおよび貴賓室が当時のまま残されていて、
往時の栄華がしのばれます。

貴賓室(二階)に上がる階段 二階の貴賓室や大ホール、小ホールに上がる階段です

帰り水
洗面所のすぐ近くに、蛇口の2つ付いた水飲みがあります。戦時中、出兵する兵隊が名残に飲み、また終戦後は、復員や引揚者が喜びをかみしめながら飲んだことから「帰り水」と呼ばれるようになったのだそうです。
洗面所
 トイレの付いてない純洗面用の洗面所で男女用が別々にあります。蒸気機関車時代の当時は顔や手がすすだらけになったようです。乗り換えの時に、顔や手を洗うためにつくられたものです。現在も利用されていますが、流し台の高さがとても低いです。足が洗いやすいようにそう設計されたものと思われます。