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山部赤人(石塚勝郎書) |
(あしびきの)山の桜花が、
幾日もこんなに咲いていたら、ひどく恋しくは
思わないだろう
『万葉集』 巻第八ー一四二五 |
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薩摩目(さつまのさかん)高氏海人(こうしのあま)(平國蔵書) |
我が家の梅の下枝で
うれしそうにうぐいすが鳴いているわ
散るのを惜しんで
『万葉集』 巻第五ー一八四二
作者について(生没年不明)
薩摩目は太初位下相当官。天平二年(七三0)に
薩摩国司に任命されたといわれている。
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天平2年( 730年)正月13日、大宰府の長官として赴任中の大伴旅人(おおとものたびと、家持の父、665年〜731年)は大宰府の公邸に31人のお客を招いて、庭に咲く梅を詠み比べる歌宴を催しました。そのときに詠まれた歌32首が『梅花の歌』として万葉集に載り、新しい元号『令和』は、それらの歌の序文として詠まれた歌に由来します。実は、高氏海人のこの歌は『梅花の歌』32首のなかの一つなのです。
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