♪越中おわら節
富山県民謡 (MIDI ミュージック)



                     旅行記 ・越中おわら風の盆 − 富山市八尾町  2005.09.01
−越中八尾・諏訪神社−          
富山平野の南の端、
飛騨の山々が描く稜線の裾野に細長く
広がる町、越中八尾は
坂の町です。
坂の町に
初秋の風が吹く
9月1日から3日の頃は
毎年、
八尾の風景が、最も輝きを
見せる『風の盆』の
時季です。
加賀藩三代藩主
前田利常公から拝領した
「町建て」の
御墨付が
八尾の開祖米屋少兵衝の
子孫より
返還された喜びの
祝いとして、
 元禄15年(1702年)、
三日間、
歌って踊って、賑やかに町内を
おもしろく錬り廻れと
おふれが
出されました。
町中の人々は
昼夜を問わず総出で、
俗曲、浄瑠璃、にわかなど、思い思いに
嗜好を凝らして、
三味線、太鼓、尺八、鼓などの鳴り物も
にぎやかに町内を
練り廻りました。
  それが
『おわら』の始まりだ
とされます。
その後、
この祭日三日が
孟蘭盆(うらぼん)三日になり、
やがて
二百十日の厄日に、
風よけと豊饒(ほうじょう)を祈る
『風の盆』に
変わったといわれて
います。

編み笠を
目深くかぶり、
そろいの法被(はっぴ)や
浴衣を着た男女が
哀調を帯びた胡弓(こきゅう)や
三味線の音色に
合わせ、
民謡『越中おわら節』に
乗せて、
町中を優雅にゆったりと
踊り流します。
『越中おわら節』は、
七七七五調のいわゆる
「素唄」、
出だしに「雁金の…」、「奥山の…」と
いった五字を加える
「五文字冠り」、
延々と言葉を増やしていく
「字余り」が
あります。
歌詞は
たくさんあり、
昭和初期、
初代おわら保存会長「川崎順二」により、
「小杉放庵」「野口雨情」
「川路柳虹」と
いった著名な文人墨客を招き
秀歌を詠ませた
といいます。
− 胡弓(こきゅう) −
八尾よいとこ おわらの本場〜♪ 
     二百十日を オワラ 出て踊る〜♪
       
尾坂道わかれて来れば〜♪    
    露か時雨かオワラはらはらと〜♪
富山あたりかあの燈火は〜♪
         飛んでゆきたやオワラ灯とり虫〜♪
 もしや来るかと窓押しあけて〜♪
     見れば立山オワラ雪ばかり〜♪
恋の病もなおしてくれる〜♪
       粋な富山のオワラ薬売り〜♪
         
  見たさ逢いたさ思いが募る〜♪
       恋の八尾はオワラ雪の中〜♪
 唄で知られた八尾の町は〜♪
        盆が二度来るオワラ風の盆〜♪
   
唄の町だよ八尾の町は〜♪
         唄で糸取るオワラ桑も摘む〜♪ 
手っ甲脚絆に紅緒の襷〜♪
           可愛いやな早乙女オワラ風の盆〜♪
諏訪町本通りは、『日本の道100選』に選ばれています。
『その夜、なかなか寝つけなかった
浅い眠りの中で、
都築(つづき)はなん度となく白い花の夢に
悩まされた。

    
夢の中の酔芙蓉は
薄暮の中でも白く、闇の中でも
白いままだった。
酔いもしなければ、散りもしなかった。』
     
− 高橋治著「風の盆恋歌」より−
   
    夕方 
   − 酔芙蓉(すいふよう) −
写真提供:藤井正之さん(岡山県)
          
■参考サイト■
本ページの説明文は、下記のサイトを参考にして書きました。
◆『おわら風の盆』公式ホームページ

◆『越中おわら節歌詞』
◆高橋治著『風の盆恋歌』(新潮文庫
 
− 編集後記 − 
今年(2011年)も8月20日が過ぎました。越中八尾では風の盆の準備が進んでいることと思います。この時季になると、カラオケで菅原洋一さんの『風の盆』を歌っては思いを馳せています。風の盆を訪ねて本ページをアップロードしたのは、6年前のことになります。それ以来、普通の芙蓉の花を”酔芙蓉”として掲載していたところ、岡山県に在住の藤井正之さんからご指摘を頂き、ご自宅の酔芙蓉の写真を送って頂きました。藤井さんありがとうございました。風の盆を訪ねたのは一回だけですが、風の盆ならではの趣に感動しましたものの、撮影の機材と腕が不足していて夜間撮影がうまくいかなかったのが心残りでした。いつか機会を得て挑戦しに八尾に行きたいと楽しみにしているところです。
  (2011年8月記) 
  
  
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