何でも写真に撮りたがるものだから、
連れ合いが、『撮るのならいいものがあるよ!』といって教えてくれたのが、これらの
歩道沿いの案山子(かかし)たちです。 |
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何事が始まっているのか、と通行人が勘違いしそうです。 |
わが家から車で10分とかからないところに
行ってみるとありました。いつも利用するのとは違う道路沿いだったので気づかずにいましたが、
昨年(2012年)の9月から立て始められたそうです。 |
薩摩川内市祁答院(けどういん)町轟地区の
県道川内・祁答院線(県道333号)沿いの民家の前の歩道脇に15体の
案山子(人形)が立てられています。 |
廃車の自転車を使ってリアル・・・。ワニ、蛇も出現! |
草刈り中や工事中の男性、自転車を
押している男性、ショッピングに行く途中の女性、腰の曲がったばあさん、餅つきをしている
男女など、そして西郷(最後)さんもいます。 |
上手く出来ていて、雰囲気が
本ものそっくりです。ある人が本当の人間だと思って声を掛けてしまい、人形だと分かって
赤面したという話もあるそうです。 |
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”泥鰌(どじょう)すくい”も |
これらの案山子を
手作りして、自宅の前の歩道沿いに立てて、通行する人々を楽しませているのは
原口新十さん(81歳)。 |
JAの農機具展示会に行ったとき、
ビニール風船製の人形を買ってきて、それにズボンをはかせて立たせたら面白ったのが、
案山子を作るようになったきっかけだったそうです。 |
私が主役。亡くなれた奥様のイメージでしょうか? |
案山子づくりだけでなく
農業に精を出す原口さん。ご自宅には大根が吊るされ、庭には、毛並みの良い
黒毛和牛がつながれていました。 |
最後に並ぶのは文字通り『最後(西郷)どん』 |
家を訪ねると、ちょうど
裏背戸で、新しい案山子を制作中でした。腰巻に着物をきた
女性の案山子のようです。 |
原口さんは、3年前に奥様を亡くし、
今は一人暮らしです。くよくよなどしてはおれない、前向きに生きないと、という思いで、
案山子づくりを楽しんでいるといって原口さんは笑います。 |
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前向きに生きる楽しみに案山子づくりをと、原口さんはいいます。 |
奥様の衣装類は
全部焼いたので、この制作中の案山子の衣装や帯も、
他の人からのもらいものだそうです。 |
案山子づくりは、
骨格となる木の枝探しから始まるそうです。
二股の枝が足になります。 |
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やがてからくりの原動力になる『鹿威し』 |
家の裏背戸の下には小川が流れています。
そこに『鹿威し』(ししおどし)が作ってあります。これに紐(ひも)を結んで、案山子の手が
上下運動するからくりをつくる予定だそうです。 |
原口さんはこれからも
案山子を増やしていくそうです。81歳、元気で、屈託のないユーモラスな案山子づくり。
すばらしいことではないでしょうか。 |
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