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写真探訪 ・日向新しき村を訪ねて − 宮崎県児湯郡木城町  2013.09 and 10
日向新しき村
自然が豊かな『日向新しき村』(三方を川に囲まれた中央の二つの高台が新しき村。昔の山城の跡でした。)
『日向新しき村』の入口より望む。昭和56年(1981年)なって初めて日向の村に木城町の町道が通りました。
クヌギ林が続く百間道路
武者小路実篤の旧居を模った『武者小路実篤記念館』 創立80周年記念事業として、実篤の著書や機関誌『新しき村』の愛読者および村外会員の協力によって建てられました。
『日向の村』(当時はそう呼ばれていた)の写真資料などが展示。入館無料で公開されています。
記念館の内部(実篤の書画複製など)
機関誌『新しき村』や実篤の小説(文庫本)、絵はがきなどが購入できます。
記念館の中では3名の女性が機を織っていました。島根、広島から訪れ、たまたまこの日から織り始めたとのこと。この織り機は、依頼人(機織り工芸家の糸川さん)と松田省吾さんが協力して製作したヒノキ製機織り機1号機。
出来上がった織物(東日本震災の被災地へ届けられるそうです。)
こちらは、広島から持ち込まれた旧型の機織り機
ダム湖に沈むまえの『日向の村』(現在の風景と比較すれば沈んだ部分がわかります。)
 大正8年(1919年) 新しき村の創立期の村内会員と、大正8年5月に完成した母屋の前で
(後列左から5人目実篤・房子。実篤33歳、房子26歳)
創立当初。実篤は午前中には文学の仕事、午後は村の仕事をしました。右が実篤。
(※以上3枚の写真はいずれも記念館内に展示の写真を撮影)
 
『武者小路実篤記念館』標石。揮毫は武者小路妙子(三女)
武者小路実篤記念館より放牧養豚場越しに見る南面
道の右手建物が住居で、正面の奥に実篤旧居があります。
 養豚場の豚(草をよく食べるそうです)
日向の村にきてから、知らず知らずのうちに建物を建てられるようになった松田省吾さん(70)
住居から北を向いた光景。松田さんは、丸太を山で仕入れ、
製材所で板にして保管します。重機(バックホー2台とダンプカー)が日常の手足となって働いています。
『日向新しき村』について
自他共に自我を生長させながら生きる理想郷の実現を目指して、宮崎県児湯郡木城村石河内に、『新しき村』の鍬入れが始まったのは、1918年(大正7年)11月14日のことでした。中心人物は、武者小路実篤。入村者は、子供を含めて18人。5年後には44人となりますが、1938年(昭和13年)に小丸川総合開発計画によってダムが建設され、村一番の水田が湖底に沈んでしまいました。そのため、翌年、埼玉県入間郡毛呂山町に新たに『新しき村』が建設されました。これによって『新しき村』の本部は埼玉に移りましたが、その後も『日向新しき村』の理想の灯はともされ続けています。現在は、5.5ヘクタールの土地に2世帯4名が暮らしています(財団法人新しき村公式ホームページより)。松田省吾さんは、1943年(昭和18年)函館生まれ。18歳のとき東京に出て、26歳のとき『新しき村』に入村。33歳のとき『日向の村』(当時はそう呼ばれていました)へ移りました。
武者小路実篤の旧居(骨組構造は当時のままで後から外観が加えられました。大正9年(1920年)建造) 
日向新しき村内にある実篤忌碑(『無心』の詩碑)
死んだら
もう何にも出来ない
出来なくても平気だ
無心の極みは、
それでいいのだ
 実篤先生詩
 
昭和六十二年四月九日
満十一年実篤忌讃仰
 八十六歳 七郎合掌
 
日向新しき村内にある創立記念碑 
此處は新しき村誕生の地なり
すべての人が天命を全うする事を
理想として
我等が最初に鍬入れせし處は此處也
  
   昭和四十三年(一九六八年)
           武者小路実篤
    
記念碑・揮毫(木城町内)
武者小路実篤文学ロード標識(石河内中心部入口付近)
この道より
我を生かす道なし
この道を歩く
  
 武者小路実篤
日向新しき村へ至る途中の県道および近辺の道路設備(トンネル、橋)には、友情トンネル、日日新トンネル、その他、一歩橋など、実篤の墨蹟を写した銘が入ったものがあります。また、松田省吾さんの揮毫(きごう)による橋銘板、実篤と松田さんの墨蹟によって構成されているものなど、十余点が一般の公共の場に溶け込んでいます。
『新しき村』を見下ろす石河内展望台に建てられている武者小路実篤詩碑
山と山とが讃嘆しあうように
星と星とが讃嘆しあうように
人間と人間とが讃嘆しあいたいものだ
 
 昭和四十三年
     武者小路実篤
友情トンネル
『友情』と『讃嘆橋』(友情トンネルの手前に掛かる橋)の銘板および標石
『無患子谷』(むくろじだに)とその標石
日日新トンネル
日日新
日日決心
日日真剣
日日勉強
日日生長

  
武者小路実篤
 『日日新トンネル』の銘板  
松田省吾さんの揮毫による『童心橋』の銘板
小丸川に掛かる一歩橋と銘板(実篤の墨蹟の写し)
山越えの県道19号から望む石河内地区(九州山地の山々に囲まれています。)
山越えの県道19号の頂上付近にある武者小路実篤文学碑『人間万歳』
武者小路実篤文学碑『君は君』(木城町市街)
君は君
我は我也
されど
仲よき

  武者小路実篤
由縁書
武者小路実篤により新しき村が木城に創立されその美しい理念が
私達の今日にも灯りつづけて九十年を迎える これを尊び町内外の篤志
ご寄付を募り ここに石河内山中の石をもって ささやかな記念文学碑を
造り 本来の自然と人間の憧れを共に望みたい。ありがたき哉。
 
  二〇〇七年 夏
  建立発起人 木城町文化協会/後援 木城町/協賛 武者小路実篤会
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