機械技術者の自己啓発支援講座(第17回)
機械技術者のための
 
工業力学入門
 □ 演習問題(支持点反力を求める問題)
機械技術者が日常の業務を進める上で必要となる力学の具体的で実践的な活用方法の習得を目指します。
先回に続き『力の大きさと向きを求める問題』です。力の大きさと向きを求める作業は、機械設計を行う上で基本となる作業です。
 
〔演習問題〕

【問題4】図のような搬送ロボットがある。アームの総質量m1=35kg、可搬重量W=600Nである。次の問いに答えなさい。
(1)アームの重量とワーク(搬送物)の重量を加えた最大重量Wはいくらですか。
(2)水平軸が左端に移動した状態において、支持軸受AおよびBに作用する支点反力RA、RBの大きさと向きを求めなさい。

           
 

〔解答〕
 
(1) アームの重量をW1とすれば、W1m1g35kg×9.81msec2 =343.35N
   従って、最大重量W=W1+W2 =343.35N+600N=943.35N
 
(2) 水平軸が左端に移動した状態は、支点A、Bにおける支点反力をそれぞれR、Rとすると下図のように表される。
               

 
x方向(水平方向)には、力が作用しないので、y方向(鉛直方向)のつり合いと、A点回りのモーメントのつり合いを考える。
 
y方向の力のつり合い式(狽e=0)
           R+R−W=0            (式1)
 
A点回りのモーメントのつり合い式(狽lA=0)
           −W×a−R×b=0          (式2)  
 
(式2)より、 R=−Wa/b =−943.35N×550mm/350mm =−1482.407N
これを(式1)に代入して
 
    R=W−R =943.35N−(−1482.407N)
              =2425.757N 
           

                       Ans A点の支点反力、2,425.8N(上向き方向)
                           B点の支点反力、1,482.4N(下向き方向)
       
 (※ 計算結果が負の値になった場合、力の方向が図示の方向とは逆になります。)
 
 
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