4.2 力のつり合いと支点反力
ある物体(部材や部品)が静止しているための条件は、
@力がつり合っている(力の総和が0である)ことと
Aモーメントがつり合っている(モーメントの総和が0である)こと
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である。つり合い条件より支点反力(抗力とも呼ぶ)を求める手順を以下に示す。
【手順1】 図中に、外力を矢印で書き込む(外力は、大きさと方向がすでに分かっている)。
【手順2】 図中に、支点反力を書き込む(支点反力は、大きさと方向を今から求めようとする力である)。
【手順3】 図中に、xy座標系を書き込み、x軸とy軸の+方向を記入する。
通常、水平方向をx軸にとり、右向きをx軸の+方向と約束し、
垂直方向をy軸にとり、上向きをy軸の+方向と約束する。
【手順4】 モーメントの方向(符号)を決め、図中に記入する。
通常、時計回り(CW方向)のモーメントを+のモーメントと約束する。
【手順5】 力のつり合い式を立てる。
(1)x方向の力のつり合い(x方向の力の総和が0である)
ΣFx = 0 …………………… @
(2)y方向の力のつり合い(y方向の力の総和が0である)
ΣFy = 0 …………………… A
(※ ギリシャ文字 Σ は、シグマと呼び、「足し算した総和」を意味します。上述の文章(1)(2)の表す
内容を式@、Aのように表すことにします。)
【手順6】 任意回りのモーメントのつり合い式を立てる。
(任意回りのモーメントの総和が0である。)
ΣM = 0 …………………… B
【手順7】 @、AおよびBの連立方程式を解いて、支点反力を与える式を導く。
【手順8】 導いた式に、具体的な数値を代入して支点反力を計算する。
【手順9】 求まった支点反力の値が−(負)の値だった場合、最初図中に書き込んだ方向とは
逆向きの力であることを意味する。
手順5からの手順を具体的に示すと以下の通りである。
x方向の力のつり合い(ΣFx = 0 )
RB−P2 =0 ・・・・・・・・・・・・・・・ @
y方向の力のつり合い(ΣFy = 0)
RA−P1+RC=0 ・・・・・・・・・・・ A
A点回りのモーメントのつり合い(ΣM = 0)
P1a−P2c−RC(a+b)=0 ・・・・・ B
3つの未知数(RA、RB、RC)に対して、式が3つ出来ましたので、連立方程式が解けることになります。
式@より、
RB = P2
式Bより
RC =(P1a−P2c )/(a+b)
これを式Aに代入して、
RA=P1−Rc
=P1−(P1a−P2c )/(a+b)
=〔(a+b)P1−(P1a−P2c)〕/(a+b)
=(P1b+P2c )/(a+b)
Ans RA=(P1b+P2c )/(a+b)
RB = P2
RC =(P1a−P2c )/(a+b)
※ 実際は、求まった答え(式)に具体的な数値を代入して数値で答えを求めます。
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