機械技術者の自己啓発支援講座(第7回)
機械技術者のための
 
工業力学入門
 □ 力の作用と反作用
機械技術者が日常の業務を進める上で必要となる力学の具体的で実践的な活用方法の習得を目指します。
あまりに日常過ぎて、あまりにも当たり前すぎて、その本質や道理が見えにくいということはよくあります。例えば、重力や重力加速度がそうです。私たちは、高い所から物が落ちても別に不思議に思いません。生まれて物心付いた頃から目にしている光景だからです。しかし、ニュートンは違いました。りんごが木から落ちるのを見て、なぜなんだろうと思いました。力の法則を発見するきっかけになった逸話ですね。
 
『力の作用と反作用』も当たり前のことのように思えますが、機械装置の部品に作用する力を考える場合、どの部品の立場に立って力を考えるかによって、力の方向が変わってきます。『作用する力とそれの反作用の力』を明確に見極めて考えられることがとても大切です。本号では、演習問題を通して、力の作用と反作用を考えてみます。

  

第4章 力のつり合い
4.1 力の作用と反作用

 物体Aが物体Bに力Fを及ぼせば(「力の作用」)、物体Aは物体Bから力−F(大きさが同じで、向きが反対方向の力)の作用を受ける(「力の反作用」)。


通常、矢印(→)で力を表わすが、どちらの物体の身になって力を考えるかによって、記入する矢印の方向が違ってくる。


例えば、床に物体が置かれている場合、床の身になれば、床は物体から鉛直方向に力(=重力)を受けるから、下向きの矢印で力を書き込むことになる。逆に、物体の身になれば、物体は床から反作用を受けるので、上向きの矢印で力を書き込むことになる。
             
                             図4.1 力の作用と反作用


〔演習問題〕

【問題4.1】
 図のように、アイボルトとフックを介して固定された壁に連結された部品Aが力Fで引っ張られている。それぞれ、部品A、フック、アイボルトおよび壁に作用する力をそれぞれ下図に記入しなさい。
 (※ この頁を印刷して、鉛筆で解答を書き込んでみて下さい。)

                  

                  



 〔解答〕

 下記をクリックして下さい。解答が表示されます。
            → 『力の作用と反作用』 演習問題4.1〔解答〕


 
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