機械技術者の自己啓発支援講座(第5回)
機械技術者のための
 
工業力学入門
 □ 演習問題(力の合成と分解)
機械技術者が日常の業務を進める上で必要となる力学の具体的で実践的な活用方法の習得を目指します。
 今回は、『力の合成と分解』の演習問題です。前週号(第04号)を復習しながら、演習問題を解いて理解を深めて下さい。

〔演習問題〕

【問題2.1】杭(くい)に2本のロープを掛けて、それぞれ300N、450Nで図示の方向に引っ張る。 杭に作用する合力をつぎの2つの方法で求めなさい。
(1)力の平行四辺形を描き、その対角線の長さをはかって求める。
(2)それぞれの力のx方向、y方向の成分を計算し、それらを合成して合力を求める。

                     
                                 図2.4
 
〔解答〕
【問題2.1】
(1)作図による方法

  まず、このページを印刷して下さい。印刷した図2.4 の上に、下図のように平行四辺形を描きます(緑色の線)。描いた平行四辺形に対角線(赤色の線)を引きます。正確な図が描けるように三角定規を使うと良いです。
次に、定規でF2の力の線の長さと、対角線の長さを測ります。F2の線の長さが 30mm、対角線の長さが43.5mmだったとしましょう(印刷の大きさによって同じ値ではないかも知れません)。
 
  合力の大きさをF(N)とすると、比例式より
                F(N) : 450(N) = 43.5mm : 30mm
                  F(N)×30mm = 450(N)×43.5mm
                        F(N) = 450(N)×43.5mm/30mm
                            = 652.5(N)                  Ans  652.5(N) 
 
             
 
(2)計算による方法
 まず、力F1とF2の力のx方向、y方向の分力を求めます(図(a)、(b))
 
   F1x=F1cosθ1=300(N)×cos15°=289.778(N)
   F1y=F1sinθ1=300(N)×sin15°=77.646(N)
 
   F2x=F2cosθ2=450(N)×cos75°=116.469(N)
   F2y=F2sinθ2=450(N)×sin75°=434.667(N)
 
 従って、x方向、y方向の分力の和Fx、Fyは
   Fx=F1x+F2x=289.778(N)+116.469(N)=406.247(N)
   Fy=F1y+F2y=77.646(N)+434.667(N)=512.313(N)
 
  Fx とFy の合力を求めると(図(c))、
           
             

              =653.8(N)
                                                      Ans 653.8(N)
 
    
 
  
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