機械技術者の自己啓発支援講座(第4回) 
機械技術者のための
 
工業力学入門
 □ 力の合成
 □ 力の分解
機械技術者が日常の業務を進める上で必要となる力学の具体的で実践的な活用方法の習得を目指します。
今回は、『力の合成と分解』についてです。ここでは、直角三角形の3つの辺の長さの比、いわゆる三角比(Sin、Cos、Tan)を使いますので、三角比が自在に使えることが必要になります。技術計算をする際には、関数電卓(あるいはポケコン)が必要になりますね。自分の関数電卓が自在に使えますか。『力の合成と分解』は、力学における最も基本的な事項の一つです。
 

第2章 力の合成と分解
2.1 力の合成

 2つの力F1、F2 が1点に働いている場合、この2つの力による効果と同じ働きをする1つの力Fを、F1、F2の合力という。F1、F2 からFを求めることを、力の合成という。Fを求めることを、力の合成という。
 
(1)力の平行四辺形による合成
 図2.1 に示すようにF、F2をとなり合う2辺とする平行四辺形を描く。この平行四辺形を「力の平行四辺形」とよび、その対角線が求める合力である。



2.1 力の平行四辺形

(2)力の三角形による合成
 図2.2 に示すように線分OBに平行で長さがそれに等しい線分ACを引き、OとCを結ぶと三角形が描ける。この三角形を「力の三角形」と呼ぶ。線分OCが求める合力を表わす。



図2.2 力の三角形
 
(3)計算(sin、cos)による方法
 それぞれ2つの力のx方向及びy方向の分力を計算し、それら合力計算して求める。
  → 問題2.1(次回号に記載)を参考にして下さい。
 

2.2 力の分解
 1つの力Fを、それと同じ働きをする2つの力F、F に分けることを力の分解という。力F、Fを力Fの分力または成分という。通常、直角な2つの力へ分解して考えることが多い。



 図2.3 直交する2つの方向への力の分解

  図2.3のように、F、Fをx方向及びy方向の成分とすると、

 
               F =Fcosθ                    (2.1)
 
               F =Fsinθ                     (2.2)
 

   但し、θは、力Fの作用線とx軸のなす角である。

【備考】
x方向及びy方向の成分F、Fが分かっている場合、それらの合力は、三平方の定理で求められます。
 
  
(2.4)式は、
「タンジェントシータは、Fy 割るFx、または、シータは、アークタンジェントFy 割るFx」と読みます。
 


【備考】 三角比
 
直角三角形の3つの辺の長さa、b、cと角度θの関係を三角比と言います。機械技術の仕事では、日常使う最も基本的な事項の一つです。しっかり身につけましょう。
               
            
(2.5)式は、サインシータはb割るc(2.6)式は、コサインシータはa割るc(2.7)式は、タンジェントシータは、b割るaと読みます。
 
 
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