1.AutoCAD LT2000iの基本設定
1.1 スタートアップダイアログの設定
「ツール」→「オプション」→「システム」→「スタートアップ」→「スタートアップダイアログを表示する」を選択する→OK。
最初、「TODAYウィンドウを表示する。」に設定されているが、「スタートアップダイアログを表示する」を標準設定としている。
1.2 アクティブアシスタントの設定
アイコン(赤色の手裏剣に黄色の?のあるアイコン)を右クリック→「起動時に表示する」のチェックを外す→
「要求時のみ」を選択する→OK。
1.3 画面表示色の設定
「ツール」→「オプション」→「表示」→「色」→ウィンドウ要素を「モデルタブの背景」にする→色を「その他」にする→198の色(色パレットで最上段右より6つ目をクリック)→ウィンドウ要素を「モデルタブのポインタ」に切り替える→色を「white」に設定→適用して閉じる→OK。
(白の背景色は、目にやさしいが、複雑な図面でシアンや黄色などの線色を用いると図面が見にくい。黒色の背景色は目にきついので、少し紺色の入った「198の色」を標準設定の色にしている。)
2.標準図枠図面とテンプレートの作成およびスタートアップ【重要】
2.1 AutoCADの標準図枠図面
標準図枠の図面を描き、共用フォルダに保存しておく(但し、サーバ&クライアント環境で図枠などの資源を共用する場合)。
(標準図枠には、標準図枠と同時に標準画層を設定しておく。)
2.2 テンプレートの作成手順
(1)自分のフォルダに上記の標準図枠図面をコピーする。
(2)その図面をAutoCAD LT2000iまたは2002iで開く。
(3)その図面をテンプレートとして保存する。
ファイル→名前を付けて保存→ファイル種類として「図面テンプレートファイル(*.dwt)」を選択 →ファイル名入力して→保存。
(説明文は、必要に応じて記入しておく。必要のない場合には、そのままOK。)
2.3テンプレートを用いた図面の新規作成
ファイル→新規作成→スタートアップダイアログ(新規図面を作成)を表示→テンプレートを使用(右から2番目のアイコン)をクリック→
テンプレート(上記で保存したもの)を選択→OK
3.要素プロパティと画層管理
3.1 画層管理【重要】
適宜、画層(「レイヤー」ともいう)に分けて図面を作成することによって、作図及び編集の効率化を図る。
「形式」→「画層管理」→画層を新規に作成したり、編集したり、削除などを行う。
3.2 線種尺度の設定
破線、一点鎖線、二点鎖線などの線の隙間の大きさ(大きいと間延びし、小さいと隙間がくっ付く)は、線種尺度で調整する。
@オブジェクトの線種尺度の変更手順
「修正」→「オブジェクトプロパティ管理」→「クイック選択」→「プロパティ」→「画層」→例えば「隠れ線」→「線種尺度」→尺度の値を入力する。
Aグローバル線種尺度
「形式」→「線種設定」→「グローバル線種尺度を変更」→OK(「線種のロードまたは再ロード」が画面がでたら→キャンセル)。
※実際の作図の線種尺度=(オブジェクトの線種尺度)×(グローバル線種尺度)
※印刷してみて線種尺度が適当でない場合には、 →「グローバル線種尺度の変更」で一括変更して調整できる。
3.3 文字フォントの設定
「形式」→「文字スタイル管理」→ビッグフォントを使用にチェックを入れる。(ビッグフォントが、「bigfont.shx」に設定される)
→閉じる。(ビッグフォント「bigfont.shx」を用いる方が日本語全角文字を表示するのに都合が良い。)
3.4 オブジェクトプロパティの変更
(1)オブジェクトを書く前にプロパティを変更する場合
「画層」・「色」・「線種」・「線の太さ」のプロパティ窓でそれぞれのプロパティの設定を変更して作図する。
(2)オブジェクトを書いた後にプロパティを変更する場合【重要】
【方法1】
オブジェクトを左クリックで選択する(青色の制御点マーク(□)が表示される)→プロパティ窓(画層、線種、線色、線の太さごとに準備された4つの長方形の窓)で、それぞれのプロパティを選ぶ→プロパティが変更される→Escキーを押す。
※ オブジェクトを選択して→「画層」窓で画層を変更すると、ByLayerで描かれたオブジェクトについては、「色」・「線種」・「線の太さ」のプロパティは、「新しい画層のDefault値」に一括変更される。
【方法2】(「オブジェクトプロパティ管理」を用いる方法)
「修正」→「オブジェクトプロパティ管理」→ここで、右上の隅に3つのアイコンが表示される。その内、「左側のアイコン(クイック選択)」と「真中のアイコン(オブジェクトの選)」を用いる。
@〔クイック選択〕プロパティ毎に一括クイック選択してプロパティを変更する。
(例えば、シアン(水色)で書かれているオブジェクトの色をマジェンタ(紫色)に変更する場合)
「クイック選択アイコン」をクリック→「プロパティ」窓で「色」を選択する→「値」に「cyan」を選択→OK→「色」をクリックし→
「Magenta」を選択→閉じる→Escキーを押す。
(どの画層に属するかに関係なく、シアン色のオブジェクトは全て、マジェンタ色に変わる。)
※ プロパティの[値]を、「ByLayer」に設定すると、そのオブジェクトが属する画層のデフォルト値が適用される。
A〔オブジェクトの選択〕オブジェクトを選択してプロパティを変更する。
「オブジェクトの選択アイコン」をクリック→変更したいオブジェクトを選択→選択し終わったら「右クリック」→プロパティを変更→閉じる→Escキーを押す。(※オブジェクトを左ダブルクリックすると、直接「オブジェクトプロパティ管理」の状態に入れる。)
4.ステータスバーの切替え
(1)スナップ
スナップ機能のON・OFFの切替えを行う。
バー右クリック→設定→X、Y方向のスナップ間隔等を設定する。
設定した間隔ごとにスナップされる。
(2)グリッド
グリッド(格子線)機能のON・OFFの切替えを行う。
バー右クリック→設定→X、Y方向のグリッド間隔等を設定する。
(3)直交モード
直交モードONで、水平及び垂直方向のみ線引き可能
(4)極
極機能のON・OFFの切替えを行う。
バー右クリック→設定→極角度等を設定する。
設定した角度方向に案内(アビゲート)される。
(5)OSNAP【重要】
特異点スナップ機能のON・OFFの切替えを行う。
バー右クリック→設定→Oスナップモードの切替え等を行う。
■ 「OSNAP」機能を使わないと、正確な図面を書くことができない。非常に重要な機能である。
(6)LWT
線の太さを表示するかどうかの切替え
バー右クリック→設定→線の太さの表示倍率等を設定する。
※線の太さを表示すると、画面動作が遅くなるので、通常はOFFのままで使う。(7)ペーパ
ペーパ空間における、「ペーパ」←→「モデル」空間表示の切り替え(別途で説明)
5.WCS(ワールド座標系)とUCS(ユーザ座標系)
UCS(ユーザ座標系)は、ユーザが設定できる座標系で、座標原点の移動やXY平面の回転などが設定できる。
WCS(ワールド座標系)は、変更できない。
座標系アイコンに□が付いている場合が、WCSである。UCSの場合には、□が付かない。
(1)座標系アイコンの表示とプロパティ設定
「表示」→「表示設定」→「UCSアイコン」→
表示 ――――― 座標系アイコンの表示・非表示
原点 ――――― 座標系アイコンの表示場所の切替え
チェックした場合・・・・・WCS原点に表示
チェックを外した場合・・・常に画面の左下隅に表示
プロパティ ――― 座標系アイコンの大きさ、色等の設定
(2)UCS(ユーザ座標系)の原点移動とUCS(ユーザ座標系)への切替え
「ツール」→「UCS移動」→原点を指定(マウスクリック)
UCS(ユーザ座標系)になる。座標系アイコンの□マークがなくなる。
(3)UCS(ユーザ座標系)の原点移動、XY平面回転
「ツール」→「UCS」→「原点」、「X軸回転」、「Y軸回転」など。
(4)UCS(ユーザ座標系)からWCS(ワールド座標系)への切替え
「ツール」→「UCS」→「ワールド」
座標アイコンがWCS原点あるいは左下隅に移動し、□のマークが付く。
6.作図手順の考え方【重要】
(1)「極」機能を用いて、基準となる水平線及び垂直線を引く
(2)「オフセット」コマンドを用いて、基準となる水平線及び垂直線に平行な線分を引く。
(3)「OSANAP」機能を用いて特異点(交点や端点、中点など)を中心として円や円弧を書く。
(4)傾いた線(角度線)は、「構築線」コマンドを用いて書く。
(5)「トリム」コマンドを用いて、余分な部分をトリムする(切り取る)。
(6)「延長」コマンドを用いて、必要に応じて線分を延長する。
(7)「複写」「鏡像」「移動」「回転」コマンドなどを用いて効率的に作図する。
〔備考〕
「絶対XY座標入力」「相対座標入力」を用いて線分を書いていく方法もある。
(1)絶対座標入力
:設定原点を基準とする。 例)コマンド:LINE
X座標、Y座標 どこから:10,10
どこへ :100,50
(2)相対座標入力
:直前に指定した点を原点にする。 例)コマンド:LINE
@X座標、Y座標 どこから:50,50
どこへ:@100,50
(3)極座標入力
:距離と角度で指定する。 例)コマンド:LINE
距離<角度 どこから:100,100
どこへ:@50<30
(4)直接距離入力
:距離のみ入力し、 例)コマンド:LINE
角度はマウスカーソルで指定する。 どこから:100,100
距離 どこへ :50
7.オブジェクトの選択手順【重要】
(1)方法1
コマンド(例えば、「削除」コマンド)クリックすると、「オブジェクトを選択」というプロンプトが表示される→左クリックで順次オブジェクトを選んで行く(選ばれたオブジェクトは、破線に変わる)。→「右クリック」を押し選択を終了して→(次の操作コマンドへ)
(2)方法2
四角枠で囲んで選ぶ方法
(a)左の方向から四角枠で囲った場合(@→A)
※完全に囲まれたオブジェクトのみが選択される。
(b)右の方から四角枠で囲った場合(@→A)
※四角枠が引っ掛かっているオブジェクトも選択される。
※ 四角枠を用いる場合も、「右クリック」で選択終了となり、コマンドが実行される。
8.寸法記入
8.1寸法記入
「寸法」→「長さ寸法記入」、「平行寸法記入」
※「直列寸法記入」【重要】
「長さ寸法記入」で寸法記入→そのままで「直列寸法記入」→順次つぎの個所をクリックして行く
※「並列寸法記入」
「長さ寸法記入」で寸法記入→そのままで「並列寸法記入」→順次つぎの個所をクリックして行く
8.2 寸法スタイルの修正【重要】
「寸法」→「寸法スタイル管理」→「修正」→タグをクリックし、必要項目を修正する。
(1)寸法線と矢印
〔矢印〕
1番目、2番目(矢印の種類)
矢印のサイズ(「文字の高さ」の約7〜8割程度)
〔寸法補助線〕
補助線延長長さ
起点からのオフセット
〔寸法線〕
並列寸法の寸法線間隔
(2)寸法値
〔寸法値の表示〕
文字の高さ
寸法線からのオフセット
(3)フィット
〔寸法図形の尺度〕
全体の尺度(使うと便利)
※ 〔フィットオプション〕〔寸法値の配置〕〔微調整〕を適宜用いてフィットさせる。
(4)基本単位
〔長さ寸法〕〔0省略表記〕
精度
接頭
接尾
〔角度寸法〕〔0省略表記〕
精度
接頭
接尾
8.3 寸法値の編集・変更【重要】
(1)寸法値の強制変更
寸法値を右クリック→「オブジェクトプロパティ管理」→「分類」→「文字」→「寸法値上書き」→寸法値を入力して→閉じる
■特殊文字のキー入力方法 φ(%%c)、°(%%d)、±(%%p)
(2)寸法位置の調整
〔方法1〕寸法値を右クリック→「寸法値位置」→(適宜各機能を使うと便利)
〔方法2〕寸法値をクリック→制御点(紺色の□)をドラッグして位置を調整する。
(この時、「極モード」を使うと、水平・垂直に配置できる。)
(3)寸法値の接頭表記、末尾表記【重要】
直径記号(φ)、四角記号(□)や括弧((、))、H7などの挿入 〔例: φ120H7、 □40〕
寸法値をダブルクリック→(プロパティが開く)→〔分類〕→「基本単位」→「寸法値の接頭表記」→(接頭文字を入力する。)
→「寸法値の末尾表記」→(末尾文字を入力する。)
■ 寸法変更が反映される(「寸法値上書き」では反映されない)。
■ 例えば、複数の寸法値の頭にφを挿入したい場合、複数の寸法値を選択して実行する。(複数寸法値の一括編集)
(4)寸法線および寸法補助線のオフ
寸法線をクリック→右クリック→「オブジェクトプロパティ管理」→「分類」→「線分と矢印」→「寸法線1」または「寸法線2」オフ→「寸法補助線1
8.4 寸法値の位置の調整
寸法線あるいは寸法値をクリック→右クリック→「寸法値位置」→「寸法線の上に記入」、「中心記入」、「元の寸法値位置」、「文字のみ移動」、「引出線と一緒に移動」、「寸法線と一緒に移動」
8.5 寸法スタイルの新規作成と適用
(1)新規作成
「形式」→「寸法スタイル管理」→「新規作成」→「新しいスタイル名」を記入→「開始元」を参考に→「適用先」で適用する寸法を選択→「続ける」
(2) 寸法スタイルの適用
「寸法」→「寸法スタイル管理」→スタイルから適用するものを選択→「現在に設定」→閉じる→寸法を記入する→再度「寸法」→「寸法スタイル管理」→
8.6 効率の良い「引出線記入」方法
(1)設定
「寸法」→「引出線記入」→「右クリック」→(コンテキストメニューを表示)「設定」
→〔引出線と矢印〕→「角度拘束」→「1番目のセグメント・30度、2番目のセグメント・水平」に設定(適宜)
→〔アタッチ位置〕→「□最終行に下線」にチェック(レ)を入れる。
(2)操作
〔マルチテキストを用いる場合〕
「寸法」→「引出線記入」→〔引出線の一番目の点を指定〕(左クリック)→〔次の点を指定〕(左クリック)
→〔次の点を指定〕(ここで、マウスを動かさないで、右クリックして次の点を指定しない。)
→〔文字列の幅を指定〕(ここで、幅(文字列の長さ)を入力。現在の値で良い場合→右クリックまたはEnterキー)
→〔注釈文字列の最初の行を入力 <マルチ テキスト>:〕(ここで、文字列(1段目)を入力する。)
→〔注釈の次の行を入力:〕(ここで、文字列(2段目)を入力する。)→入力を終了する場合には、右クリックまたはEnterキー
〔マルチテキストエディタを用いる場合〕
→〔注釈文字列の最初の行を入力 <マルチ テキスト>:〕(ここで、右クリックまたはEnterキーで、マルチテキストエディタが開く。)
9.寸法公差と幾何公差、面の肌の指示記号
9.1 寸法公差【重要】
(1)寸法許容差の追加
寸法値を左クリック→右クリック→「オブジェクトプロパティ管理」→分類→許容差→
@ 許容差表示(「なし」、「一つ」、「上下」等を選ぶ)
A 「許容値のマイナス値」は、下の寸法許容差であり、自動的に「−符号」が付く。符号を「+」にしたい場合には、マイナスで数値を入力する。
「許容値のプラス値」は、上の寸法許容差であり、自動的に「+符号」が付く。符号を「−」にしたい場合にはマイナスで数値を入力する。
(2)寸法許容差の精度と接尾省略
9.2 幾何公差記号
「寸法」→「幾何公差」→
(例)
記号 公差1 1次データム
データム記号
9.3 面の肌の指示記号
AutoCADには記号が準備されていないので、自分で作図する
■例えば、多角形作図コマンドで三角(▽)を書く→ 図を「分解」する→一辺を延長→
■ブロック化して登録しておくと便利である(「ブロック」の項を参照)。
10.ブロック
10.1 図形のブロック化
「作成」→「ブロック」→「定義」→名前を入力→オブジェクトを選択→「挿入基点」を指定→「説明を入力」(省略可)→OK
10.2 ブロックの挿入
「挿入」→「ブロック」→「名前」窓をクリックして選択→OK
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