レポート | ・SI接頭辞の話し |
− SI接頭辞の話し −
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§1 M(メガ)からG(ギガ)さらにT(テラ)へ kg(キログラム)やkm(キロメータ)の k(キロ)は、1000倍のことであり、mm(ミリメータ)やml(ミリリッター)の m(ミリ)は、1000分の一のことを表していることはご承知だと思います。 g(グラム)や m(メータ)や l(リットル)などの単位の前に付けられるこれらの記号のことを『SI接頭辞(エスアイせっとうじ)』といいます。SIとは、国際単位系(国際的に定めた単位系)のことです。 今から20数年前にパソコンが普及し出し、一太郎や OASYS(オアシス)といったワープロが一般に使えるようになって文書作成が楽になったことは、それまで手書きによっていた世代の者には画期的でした。 当時のデータの記憶媒体(メディア)はフロッピーディスク(FD)で、記憶できるデータ容量は1.44MB(メガバイト)程度でした。M(メガ)は百万(1,000,000)倍を表すSI接頭辞です。 その後、コンピュータ技術の進歩によってハードディスク(HD)が一般的な記憶媒体となり、記憶容量もGB(ギガバイト)の単位になりました。ここで G(ギガ)は、十億(1,000,000,000 )倍を意味します。そして、最近は、一兆(1,000,000,000,000)倍を表す T(テラ)がお馴染みのSI接頭辞になってきています。 すなわち、最近のハードディスクの容量は1〜数TB(テラバイト)が一般的になってきています。そして、今後のコンピュータ技術・情報処理技術の進展によってはさらに大容量のPB(ペタバイト)の単位の記憶媒体が一般的になるかも知れません。 B(ペタ)は千兆( 1,000,000,000,000,000)倍を表すSI接頭辞ですが、最近の脳科 学の研究によりますと、人間の脳の記憶容量は、1PB(1ぺタバイト)に達することが明らかになったそうです。私たち人間の脳は、現在私たちが使っている1TB(1テラバイト)のハードディスクの1000個分の記憶容量を有しているということです。 §2 1μ(イチマイクロ)=一微 さて、小さくなる方の単位では、10分の一が d(デシ)で 100分の一が c(センチ)で、1000分の一が m(ミリ)で、漢字では分(ぶ)、厘(りん)、毛(もう)です。μ(マイクロ)は、百万( 1,000,000)分の一を表しますが、意外と日常生活で馴染みのある単位です。 例えば、日本人の髪の毛の平均的な太さ(直径)は 80μm(マイクロメータ)。台所のガスレンジマットや油はねガード、三面フード、レンジパネルなどのアルミ箔の厚さは30〜50μmで、クッキングホイルのアルミ箔が厚さ 12 〜 17μm で、たばこやチョコレートの包装用のアルミ箔、いわゆる銀紙は厚さが6〜9μmです。 §3 一涅槃寂静(いちねはんじゃくじょう) 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)は、仏教用語で『煩悩の炎の吹き消された悟りの世界(涅槃)は静かな安らぎの境地(寂静)である』といったような意味だそうです。この『涅槃寂静』が、分や厘や毛と同じように、10の−24乗を示す数の単位としても用いられているのは面白いです。同じように、『刹那(せつな)』は10の−18乗を示す数の単位、『清浄(しょうじょう)』は10の−21乗を示す数の単位です。 【備考】『一太郎』は(株)ジャストシステムが販売する日本語ワープロソフトの 名称であり、『 OASYS(オアシス)』は、富士通(株)によって開発された日本語 ワードプロセッサです。
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