レポート | 新・午前十時の映画祭とカサブランカ |
− 新・午前十時の映画祭とカサブランカ −
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一度スクリーンで見たかった。もう一度、スクリーンで見たかった。1950年代〜1970年代を中心とする、特に素晴らしかった傑作娯楽映画30本を選び、2015年4月〜2016年3月までの一年間にわたり連続上映する『新・午前十時の映画祭』が全国54劇場で開催されています。 上映作品は例えば、小さな恋のメロディ、ローマの休日、ひまわり、シェルブールの雨傘、風と共に去りぬ、カサブランカ(以上は上映済み)、エデンの東、赤ひげ、駅ステーション、グレンミラー物語、オリエント急行殺人事件、死刑台のエレベーター、東京物語など。 先日、鹿児島市の天文館シネマパラダイスで『カサブランカ』(1942年製作のアメリカ映画)を見に行ってきました。イングリッド・バーグマンは美しく、ハンフリー・ボガードは格好良かったです。 映画『カサブランカ』 1941年12月、親ドイツのヴィシー政権の管理下に置かれたフランス領モロッコの都市カサブランカは、ドイツの侵略によるヨーロッパの戦災を逃れ、中立国のポルトガル経由でアメリカへの亡命を図ろうとする人の群れでごった返していた。 そのモロッコで、アメリカ人男性のリック(ハンフリー・ボガート)は、パリ陥落の日の早朝に理由を告げずに去った恋人イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)と再会を果たす。彼が経営する酒場『カフェ・アメリカン』にイルザが偶然姿を見せたのである。
Ilsa : "Play it, Sam. Play 'As Time Goes By." (あれを弾いて、サム。『時の過ぎ行くままに』を) ピアノ弾きのサムに見覚えがあったイルザは、パリの思い出である『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』を弾いてくれとたのむ。しかし、彼女は、現在はドイツに併合されたチェコスロバキア人のドイツ抵抗運動の指導者であり、夫であるヴィクトル・ラズロ(ポール・ヘンリード)と一緒だったのである。 Rick : "Of all the gin joints in all the towns in all the world, she walks into mine." (この街には星の数ほど店があるのに、イルザはこの店に来た・・・) 再び過去の痛みに苦しみながら、今でも愛していると本心を打ち明けるリック。姿を消した理由を語るイルザ。そして、二人は愛情を確かめ合う。イルザがパリ陥落の日理由を告げずに去ったわけを知ったリックは、もう過去の痛みに耐えている彼ではなかった。ヴィシー政権の発行した通行証をラズロとイルザに渡し二人を亡命させる。 Ilsa : "But what about us?" (でもわたしたちのことは?) Rick : "We'll always have Paris." (おれたちにはいつもパリの思い出があるさ) Rick : "Here's looking at you, kid." (君の瞳に乾杯) 二人を乗せた飛行機は、追手を振り切るように宵闇の滑走路を飛び立っていく。 映画が格好良かった時代の映画。どの場面をカットしても絵になり、名セリフの多い映画といわれますが、実はクランクインの段階で脚本は完成しておらず、書き上げられたシーンを片端から撮影していくという方法が採用されそうです。 バーグマンの演じるヒロインが、ボガートとヘンリード、どちらと結ばれることになるかも、撮影直前になっても決まらず、二通りのラスト・シーンを撮影して、良い方を採用しようということになりましたが、先に撮影した方がスタッフの評価も高く、そのまま使用されることになりました。これが現在知られているラスト・シーンだそうです。 バーグマンはこの映画を失敗作と考えて、長年忘れ去っていました。1974年にバーグマンがロサンゼルスでの講演に招聘され、その講演前にこの映画が上映されました。映画が終わり、演壇に立ったバーグマンは『こんなに良い映画だったんですね』と述べたそうです。(カサブランカ (映画) - Wikipediaを参考) 【参考サイト】 (1)午前十時の映画祭 - Wikipedia (2)カサブランカ (映画) - Wikipedia |
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